ほとんどのビジネスマンは「コンテンツマーケティング」を耳にしたことがあるはず。そして現代では、ほとんどの企業が何らかの形で、コンテンツマーケティングを実施しています。
成功した企業は大抵コンテンツマーケティングを上手くやってのけていますが、その裏では死屍累々、有象無象の企業が上手くいかずに途方に暮れています。
おそらく上手くいかない原因は、
- コンテンツマーケティングの意味を理解していない
- 行う目的が明確でない
- 目的を達成するための行動につながっていない
の3つ集約されると思います。
この記事では、
- コンテンツマーケティングとは何か?
- コンテンツマーケティングが得意とする領域
- コンテンツマーケティングの種類
- コンテンツマーケティングを行う手順
を解説しています。特定のジャンルに寄らず突っ込まずで、全般的な内容としています。
今の時代、コンテンツマーケティングがマーケティングの中心です。業種や企業の規模を問わず、知っておくことをオススメします。
コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、広告ではない情報を発信するタイプのマーケティング手法です。パッと思い浮かぶ企業ブログは、まさに代表的なコンテンツマーケティングです。
マーケティングである以上は、最終的には売上アップを目指すことにはなります。ただし「セール情報」や「クーポン」のように、直接買わせるコミュニケーションは取りません。
まずはその手前で、
- ブランドを知ってもらったり
- 有益な情報を与えて潜在顧客を育てたり
と、周りくどいコミュニケーションを取るのが特徴です。
コンテンツマーケティングが注目される背景
従来の売り込み型広告は、段々と効果が薄れてきています。なぜならインターネットの登場で、顧客が能動的に製品の情報を取りに行けるようになってしまったからです。
インターネットがない時代は、広告や営業マンから製品情報を入手するしかありませんでした。そのため営業マンとの会話や、雑誌の広告は、顧客にとって歓迎されるものでした。
しかしながらインターネットにより、同じ立場の消費者の口コミを聞けるようになりました。
- 売りたい企業
- 同じ立場の消費者
どちらの意見が信じられるでしょうか?
いまや顧客は、企業の売り込み目的のメッセージを信じなくなりました。そしてそのようなアプローチを煙たがるようになってしまいました。
ここで出てきたのがコンテンツマーケティングです。「売り込みが嫌われるなら、売り込まずに、顧客が必要な情報を提供すれば聞いてくれるはず!」という発想です。
主語が変わりました。「企業が売るための情報」から、「顧客が知りたい情報」にシフトしたわけです。
今や広告や売り込み営業マンを採用しない企業も増えてきました。コンテンツマーケティングから来るインバウンド客を捌くだけという格好です。これで済むならこっちの方がいいですよね。
コンテンツマーケティングの3つのメリット

コンテンツマーケティングには、非常に大きなメリットがあります。
コンテンツマーケティングのメリット
- 顧客から信頼される
- 「認知」と「訴求」を得られる
- 拡散される
それぞれ解説していきます。
メリット①:顧客から信頼される
コンテンツマーケティングは、顧客の欲求やニーズを満たす情報を提供します。
- よくある症状の解説を提供してくれるクリニック
- 発酵の研究データを提供してくれる酒蔵
- モテるテクニックを提供してくれる美容師
何の情報を提供していない同業種の人と比べてみてください。どちらが信頼できるでしょうか?
顧客は信頼できる人から買いたいと思っています。どちらが実際にスキルが高いかは素人には判断できませんが、少なくとも情報を発信している人の方がはるかに信頼できます。
また頻繁に顧客の目に触れていることも重要です。心理学の「単純接触効果」によれば、人は何度も見聞きした他人やブランドに対し、好意を寄せる傾向があります。
薬局で湿布を買おうとしたとき、どれが適切かの判断は少し難しいですね。多くの人は、CMで聞いたことがあるブランドを何となく購入しているのではないでしょうか?
露出が多い方が信頼されやすい傾向があります。これも単純接触効果による現象です。
メリット②:「認知」と「訴求」を得られる
コンテンツマーケティングのカバー範囲は広く、カスタマージャーニー全体で接点を設けることも可能です。中でも特に得意な領域が「認知」と「訴求」です。
繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングでは顧客に役立つ情報を発信します。
ブランドは知られていなくても、顧客が検索から知りたい記事にたどり着けば、ブランドの「認知」につながります。その内容に興味を惹かれれば「訴求」にもなります。

- 「調査」にあたる公式サイトの製品ページや問い合わせ
- 「行動」にあたるECサイトやLP(ランディングページ)
は、コンテンツマーケティングの受け皿になります。
なおただ知っているだけの「認知」は広告でも獲得できますが、「訴求」はダンダンと難しくなっています。理由は前の章でも触れた通り、顧客が売り込みを信用しなくなったからです。
「訴求」で顧客の好奇心を引くには、コンテンツマーケティングが最右翼です。
メリット③:拡散される
コンテンツマーケティングは、自然な形でコンテンツが拡散されます。
下心ありありな企業広告を、進んで拡散したい人はいないでしょう。ですが、コンテンツマーケティングは売り込みません。役立つ情報や面白い情報を発信しているだけです。
もしあなたが真剣に悩んでいる問題を検索し、とあるコンテンツで解決したとしましょう。同じ悩みを抱えている人にも、教えてあげたいと思うのではないでしょうか?
少し昔までは、そう思っても他人に教える術がありませんでした。家族や友達くらいしか伝える相手がおらず、必ずしもその中に同じ悩みを持つ人がいるとも限りませんでした。
ですが現代は違います。SNSやブログなどを使って、不特定多数の人に情報をシェアできるのです。顧客が勝手にマーケティングしてくれる美味しい状況を作れます。
コンテンツマーケティングで用いる3つのチャネル

コンテンツマーケティングで使えるチャネルは、大きく3つあります。
トリプルメディア
- オウンドメディア
- ペイドメディア
- アーンドメディア
パッと思い浮かびやすい企業ブログはオウンドメディア。ですが、オウンドメディアだけが動かせる変数ではありません。それぞれの特徴を押さえておきましょう。
チャネル①:オウンドメディア
オウンドメディア(Owned media)とは、企業がオーナーのメディアです。一般的にコンテンツマーケティングが語られる文脈は、ほぼオウンドメディアを指しています。
実に多種多様なオウンドメディアがあり、必ずしもインターネットチャネルとは限りません。昔ながらの物理的なチャネルもあります。
オウンドメディアの種類
- 企業ブログ
- (企業の)SNSアカウント
- メルマガ
- プレスリリース
- 導入事例
- セミナー、ウェビナー
- 経営者や社員が執筆した書籍
- e-book
- 企業のYouTubeチャンネル
基本的にコンテンツマーケティングは、オウンドメディアなしでは成立しません。
オウンドメディアのメリット
オウンドメディアの最大のメリットは、その資産性にあります。メディアの形式を企業が自由に決められるので、過去のコンテンツを流さずにストックさせることができます。
例えば企業ブログで執筆したコンテンツは、1つのURLを持った独立したコンテンツとして、インターネット上に残ります。3年前の記事だからといって、検索に引っ掛からなくなるわけではありません。
積み上げれば積み上げるほど、複利的に後々の実りが大きくなる。ザ・農耕型メディアです。
オウンドメディアのデメリット
デメリットは時間がかかることです。企業ブログにしても、企業のSNSアカウントにしても、いきなり露出は取れません。
オウンドメディアは中長期の取り組み。短期の成果(売上)を求められると、どうしても苦しくなります。経営層がオウンドメディアの必要性を感じ、腰を据えて取り組まなければ頓挫してしまうでしょう。
チャネル②:ペイドメディア
ペイドメディア(Paid media)は、企業がお金を払ってコンテンツを掲載してもらうメディアのこと。視聴者数が多い他社のメディアに、自社ブランドを掲載してもらいます。
例えば次のようなメディアです。いずれも一定数の視聴者が既に存在しています。
ペイドメディアの種類
- 雑誌
- webメディア
- テレビCM
- ディスプレイ広告
- リスティング広告
- YouTube広告
「広告だからコンテンツマーケティングの定義に入らないんじゃ?」と思った人もいるでしょう。ペイドメディアも使い方次第では、立派なコンテンツマーケティングになります。
コンテンツの中身が露骨な売り込みでなく、ブランド認知や興味を惹きつける内容であれば、コンテンツマーケティングにカウントするのが妥当でしょう。
ペイドメディアのメリット
ペイドマーケティングの良さは、手っ取り早くインプレッション(認知)を獲得できるところです。基本的にはお金さえ払えば、一定の露出を獲得できます。
もともと露出が多いか、露出の絶対数はそれほど多くなくても、ターゲット顧客層が多く集まる媒体が選ばれます。
ペイドメディアのデメリット
ペイドメディアのデメリットは大きく2つあります。
1つは当たり前に、お金がかかることです。ただ出稿させてもらう媒体によって、金額は千差万別。必ずしも大金が必要なわけではありません。
2つ目のデメリットは、コンテンツが資産になりづらいケースがあること。ペイドメディアはコンテンツの中身は自由が効きますが、コンテンツを掲載する場所は他社のものです。
ペイドメディアの多くは、新しいコンテンツをフローでドンドン流していく形態を取っています。雑誌で製品の紹介記事を載せたとしても、1ヶ月後には誰の目にも止まらなくなります。
良くも悪くも、お金を燃やして認知を取りに行くイメージですね。あくまで短期的なインプレッション獲得に使うのがペイドメディアなのです。
チャネル③:アーンドメディア
アーンドメディア(Earned media)は、第三者が発信するメディアのことです。出版社があなたの製品を取材して取り上げたり、一般消費者がレビューをブログに書いたりといった具合です。
アーンドメディアの種類
- Amazonや楽天の口コミ
- (消費者による)SNSの投稿
- 個人のブログ
- 雑誌やテレビで取り上げられる
アーンドメディアは企業の範疇外なので、コンテンツマーケティングの定義からはおそらく外れています。しかしながら大いに関連しています。
火のないところに煙は立ちません。何のきっかけもなく、突然アーンドメディアが取り上げてくれることは基本ないでしょう。アーンドメディアを獲得するためには、着火剤が必要です。
その着火剤になるのが、オウンドメディアやペイドメディアなのです。
アーンドメディアのメリット
アーンドメディアのメリットは2つあります。どちらも非常に大きなメリットです。
1つは拡散力です。リツイートを想像すればわかりやすいでしょう。発信者が複数人になるので、コンテンツが爆発的に拡散します。規模が大きいと「バズ」になります。
2つ目は評価の信頼性です。下心がある企業のメッセージより、同じ消費者の発信の方が信頼できます。アーンドメディアで発生する良い口コミは、企業発のマーケティングより強い効果が期待できます。
マーケティングの威力で考えると、アーンドメディアが最強でしょう。
アーンドメディアのデメリット
デメリットは、悪い情報も拡散してしまうことです。インターネット上で一度炎上してしまうと、火消しは容易ではありません。
ただアーンドメディアは第三者が勝手に発信するメディアなので、企業はコントロールはできません。悪い噂が立たぬよう、消費者を欺くような行動は日頃から慎むべきでしょう。
コンテンツマーケティングを始める8ステップ

何事も急がば回れ。コンテンツマーケティングにも正しい進め方があります。
見てもらうとわかりますが、どんな仕事でも基本的には同じような進め方をしているはずです。ステップバイステップで見ていきましょう。
ステップ①:目的を決める
一発目に考えなければならないのは、コンテンツマーケティングを行う目的の明確化です。ビジネスで何を達成したいのかを定義します。
マーケター自身が決めるというよりは、経営層から落ちてくる目標をそのまま据えるパターンが多いと思われます。
目的は企業や部門によって様々ですが、一般論として、
- ブランド認知関連の目標
:「BtoC」ブランドに多い - 販売関連の目標
:「BtoB」ブランドに多い
が目的になることが多いでしょう。
これまた一般論の続きですが、個人はブランドイメージで購入する顧客がたくさんいるのに対し、企業はイメージよりも具体的な機能や価格を重視します。
個人は「Apple製品しか買わん」という人がたくさんいますが、企業はそんな気持ちは持っていません。安いLenovoのPCを買うのが普通でしょう。
ステップ②:ユーザー人物像を決める
続いて、積極的に製品を買って欲しいユーザーの人物像を明確にします。一般的には「ペルソナ」と呼ばれるモノです。
ただし「20代男性」とか「30代子持ちの専業主婦」のような荒っぽい感じではいけません。具体的な1人の人物として理解できるレベルまで落とし込みます。
●ペルソナのイメージ

ここで一つ注意点。実は最近、「脱ペルソナ」の風潮があります。なぜなら人物像をいくらでも捏造できてしまうからです。
例えば、29歳の独身男性、都内在住で、IT企業勤務。趣味はスノーボード。彼女は同い年で大学の同級生で…と、それっぽく作れてしまいます。
ですがコンテンツを作る上で、「このペルソナは、外食が多いのか。それとも自炊するのか」となったとき、「うーん、忙しくて外食が多いってことにする!」といい加減に作れてしまいます。
そんな人本当にいるのか?これで顧客の気持ちがわかったことになるのか?と疑問が湧いてきますね。
そんなわけで、ペルソナで架空の人物像を考えるのではなく、「実在するよく知っている人」をイメージするのがオススメです。
人物像を捏造することはなく、「こういう場面だったら、こう感じるだろうな」と想像もしやすくなります。何なら直接聞いたっていいわけですから。
知人の他には、インタビューなどを通じて深く交流した既存顧客をイメージするのも良いですね。3〜6人くらいの顧客イメージがあれば十分かと思います。
≫ 今更聞けないペルソナの作り方を解説。ペルソナマーケティングは古いのか?
ステップ③:カスタマージャーニーを考える
続いてカスタマージャーニーを作ります。カスタマージャーニーとは、顧客と製品とのタッチポイントを時系列順にプロットしたモノです。
●カスタマージャーニーのイメージ

もちろんジャーニーの主人公は、前ステップで決めたユーザー人物像です。というよりは、その対象者に直接ヒアリングしながらでないと作れません。
明らかに抜けているコンテンツがあれば、まずそれを作らねばならないと解ります。顧客が次のジャーニーに進めなかった、あるいは進むまでに時間がかかった箇所があれば、そこがボトルネックなはず。
カスタマージャーニーを作ることで、どこに注力しなければならないかが浮かんできます。
≫ 【今でも重要】カスタマージャーニーとは?意味・目的・作り方を解説【サンプルあり】
ステップ④:配信するメディアを決める
続いて、どのメディアを使ってコンテンツを配信するかを決めます。
これも想定しているユーザー人物像が、どんなメディアによく触れているかをベースに考えます。カスタマージャーニーを作っておけば、どんなメディア見ているか見当をつけられるでしょう。
例えばよくあるメディアには、それぞれ次のような特徴があります。
- テレビCM
:高齢者がよく見ている - インフルエンサーのSNS
:アーリーマジョリティがチェックしている - ショートムービー
:学生、若者など人気 - セミナー、ウェビナー
:気軽に質問できるコンテンツとして使える - 書籍
:その業界に対する強い権威性が生まれる - メルマガ
:リード獲得&リード育成ができる - e-book
:リード獲得しつつ、興味関心を引ける
またテクノロジーの進化とともに、メディアが扱うコンテンツはリッチ化します。
4G回線により、スマホで大容量データを送受信できるようになりました。ここで頭角を現したのが動画メディアです。今後はさらに重たい3Dコンテンツを扱うメディアも登場してくるでしょう。
企業ブログはコンテンツマーケティングの母艦
いろんなメディアがあるわけですが、全てのハブは「企業ブログ」です。企業ブログに書いたコンテンツが、他のメディアのコンテンツに流用されるイメージです。
企業ブログは自由度が高く、コンテンツが蓄積されていきます。資産性があり、長く続ければ続けるほど効果が増していきます。
加えて、メジャーなSNSアカウントはブログとセットで必須になります。あとは必要に応じたチャネルを選んでいきましょう。
ステップ⑤:KPIを決める
続いて、どの数字が目的達成にもっとも効果的かを考えます。いわゆるKPI(重要業績評価指標)の策定です。KPIがないと、施策を回しても成功or失敗のジャッジができません。
一般的には次のようなKPIが考えられます。
認知 | 訴求 | 調査 | 行動 | 推奨 |
PV数 | 直帰率・離脱率 | クリックスルー率 | コンバージョン率 | シェア数 |
ユニークビューワー数 | セッション数/人 | CTA | 問い合わせ数 | メンション数 |
ブランド想起 | 滞在時間 | e-bookのDL数 | 資料請求数 | NPS |
ウェビナー参加数 | 有効商談数 | |||
メルマガ登録率 | ||||
リード獲得数 |
なおここで注意が必要なのは、KGI(重要目標達成指標)を目標にしないことです。
KGIは、KPIの親概念。「売上」「利益」「顧客数」がKGIに当たるケースが多いでしょう。マーケターでは直接動かしづらい変数なので、もっと動かしやすい変数をKPIとします。
例えば次のようなジャーニーで考えてみましょう。
最終的に「売上」を上げたい…
- 企業ブログへ集客
- ブログ内からメルマガ申し込み(リード獲得)
- メルマガで顧客を育成
- 問い合わせが入り、営業マンがクロージング
この場合、「ブログ」も「メルマガ」も、売上を直接コントロールできません。最終的には営業マンが売上を作っています。ただしどちらも売上に強い相関があります。
- ブログ自体に人が来ない→「PV数」
- リード獲得が少ない→「メルマガ登録率」
が、KPIになります。これでコンテンツマーケティングが直接コントロールできる数字になります。
≫ KPIとKGIの違いとは?KSFって?4ステップの設定方法を解説
ステップ⑥:コンテンツの作成
ここまででコンテンツマーケティングの「戦略」に相当する部分を抑えられました。続いては「戦術」にあたるコンテンツの作成です。
コンテンツの作成は、どのメディアに出すかで攻略方法が大きく変わります。そのため、ここで各々のコツに深く触れるのは避けておきます。
ただ概ね共通して言えるのが、
- 顧客の悩みやニーズを解決するコンテンツを作る
- 検索数が多いキーワードを狙う
- ただし検索数が多いと競合しやすいので、複合キーワードも考慮する
辺りですね。
市場のポジションを意識する
製品は市場でのポジショニングが大事。コンテンツマーケティングも同様です。要するに他のメディアにはない、オリジナリティがある方が良いのです。
「STP」の考え方を踏襲するのが良いでしょう。ターゲット層を絞り、そのターゲットに特化したニッチなコンテンツを届けます。

と心配する人もいるかもしれません。ですが場所を選ばないコンテンツマーケティングなら、ニッチでも人は集まります。
もちろん見に来る人の母数が減るのは否定しません。ですが広く浅い分野でボチボチのメディアになるより、ニッチな分野で圧倒的No.1になった方が、顧客の印象は強くなります。
- 日本で1番高い山は富士山。では2番目は?
- 初代天皇は神武天皇。では2番目は?
- 世界一大きな湖はカスピ海。では2番目は?
大抵の場合、1位の存在は認知されやすく、2位以降は急におぼろげになります。
STPの考え方は製品企画のマーケティングでは基本中の基本。ぜひコンテンツマーケティングでも意識したいポイントです。
≫【基本のキ】STP(セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング)とは?
エバーグリーンか?トレンドか?
コンテンツには大きく2種類あります。両者のバランスも考慮したいところです。
- エバーグリーン・コンテンツ
:長期に渡り色褪せないコンテンツ。ハウツー系やライフイベント関連など - トレンド・コンテンツ
:いま話題のコンテンツ。最新のテクノロジーや事件・ニュースなど
メディアに資産性を持たせるとなると、風化しないエバーグリーン・コンテンツは必須になるでしょう。企業の方針によるので何とも言えませんが、傾斜をつけるならエバーグリーンかと思います。
トレンドだけだと過去のコンテンツが腐っていくので、運営が自転車操業的になってしまいます。これではコンテンツマーケティングのメリットを一つを殺してしまっています。
ですがトレンドを取り入れないと、短期での露出は難しいのもまた事実。SNSの拡散もトレンドの圧勝です。KPI達成のためには、トレンドも必要になってくるでしょう。
ステップ⑦:コンテンツを拡散する
企業ブログがハブになるとして、コンテンツを別のメディアにも流用して拡散を狙いたいところです。
簡単なのは、ペイドメディア(有料で他社メディアに配信してもらう)を使う方法です。必ずしもオーガニック(自然検索からの流入)に限定する必要はありません。
それ以外には、TwitterなどのSNSによる拡散を期待したいところですね。
人はどういうコンテンツなら他人に伝えたいと思うのか。これを考えてみましょう。普通に考えれば、その裏には欲求があるはずです。
欲求を考える上で使える考え方に「マズローの欲求段階説」があります。このピラミッドを一度は見たことがあるのではないでしょうか?

一般的にSNSは「承認欲求」を満たすツールと言われています。特に他人から認められたいという文脈が当てはまります。
一説によれば人間の魅力には、
- 身体的魅力
:背が高い、スタイルが良い、肌が綺麗など - 知性
:博識さ、頭の回転の速さ、ロジカルさなど - 社交性
:顔の広さ、著名人との交流など - 感情性
:他人やモノなど、自分以外に向ける感情の豊かさ - パーソナビリティ(人間力)
:その人の個性、首尾一貫した姿勢など - 道徳性
:社会通念的な正しさ、利他的な精神など
の6つがあると言われています。シェアしたら、これらの魅力が増しそうなコンテンツが良いのではないでしょうか?
かわいい犬の写真をあげるのは「感情性」のアピールでしょう。マニアックな専門知識は「知性」を刺激します。自己啓発なコンテンツは「パーソナビリティ」を想起させます。
インフルエンサーに依頼してSNS拡散してもらう方法もあり得ます。相応の費用に加え、インフルエンサー個人の信用を損なわないことが条件になるでしょう。
ステップ⑧:評価と改善
KPIが改善しているかどうかチェックしましょう。
一通りコンテンツ配信を始めると、良くも悪くも結果が出ます。コンテンツの多くはブログやSNSになるので、数字でのトラッキングはしやすいはず。
またKPIと共にKGI(売上など)が改善しているかも確認したいですね。ただしブランド認知系のKPIの場合は、売上に反映されるにはいくらか時間がかかると思います。
もしKPIが想定通りに改善しない場合は、コンテンツの見直しや、場合によってはカスタマージャーニーの見直しをして、施策をブラッシュアップしましょう。
まとめ

今回はわかるようでわからないコンテンツマーケティングを取り上げました。
汎用的な内容なので、物足りなかった人もいるかもしれません。門外漢だった人は、頭の整理になったんじゃないかなと思います。
ざっくりまとめると、コンテンツマーケティングとは、売り込み広告ではなく、情報を届けるマーケティング手法です。インターネット経由がメインですが、それに限りません。
背景には、インターネットにより顧客が、能動的に製品情報を調べられるようになったことがあげられます。口コミの方がよっぽど信頼できるので、企業からの売り込みが煙たくなってしまいました。
そんなわけで売り込み色を消して、純粋に顧客に役立つ情報を届けようというわけです。
コンテンツマーケティングで使えるチャネルは、次の3つです。
トリプルメディア
- オウンドメディア
:企業がオーナー。企業ブログや企業SNSなど - ペイドメディア
:有料で他社メディアに配信してもらう。テレビCM、雑誌、ネット広告など - アーンドメディア
:第三者が発信するメディア。個人のSNSやブログなど
基本的には企業ブログとSNSを中心としたオウンドメディアを展開します。手っ取り早く露出を獲得するためには、ペイドメディアも使えます。
最終的には顧客への影響力が強いアーンドメディアも獲得したいところ。火のないところに煙は立たないので、まずはオウンドメディアやペイドメディアで着火剤を仕込みましょう。
コンテンツマーケティングは、他のマーケティングや新規事業企画と同様に、顧客を主語にして施策を考えます。インタビューやカスタマージャーニーを通して、顧客を深く理解することが肝要です。
作成するコンテンツは、顧客の悩みやニーズを満たすものにしていきましょう。
社会人の学びに「この2つ」は絶対外せない!
あらゆる教材の中で、コスパ最強なのが書籍。内容はセミナーやコンサルと遜色ないレベルなのに、なぜか1冊1,000円ほどしかかりません。
それでも数を読もうとすると、チリも積もればで結構な出費に。ハイペースで読んでいくなら、月1万円以上は覚悟しなければなりません…。
しかし現代はありがたいことに、月額で本読み放題のサービスがあります!
外せない❶ Kindle Unlimited

Amazonの電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」は、月額980円。本1冊分の値段で約200万冊が読み放題になります。
新刊のビジネス書が早々に読み放題になっていることも珍しくありません。個人的には、ラインナップはかなり充実していると思います。
外せない❷ Audible

こちらもAmazonの「Audible(オーディブル)」は、耳で本を聴くサービスです。月額1,500円で約12万冊が聴き放題になります。
Audibleの最大のメリットは、手が塞がっていても耳で聴けること。通勤中や家事をしながら、子供を寝かしつけながらでも学習できます。
冊数はKindle Unlimitedより少ないものの、Kindle Unlimitedにはない良書が聴き放題になっていることも多い。有料の本もありますが、無料の本だけでも十分聴き倒せます。
ちなみにわたしは両方契約しています。シーンで使い分けているのと、両者の蔵書ラインナップが被っていないためです。
どちらも30日間は無料なので、万が一読みたい本がなかった場合は解約してください(30日以内であれば、仮に何冊読んでいても無料です)。
そして読書は、早く始めた人が圧倒的に有利。本は読めば読むほど、複利のように雪だるま式に知識が蓄積されていくからです。
ガンガン読んで、ガンガン知識をつけて周りに差をつけましょう!
とりあえず両方試してみて、それぞれのラインナップをチェックするのがオススメです!