心理学・行動経済学

【今すぐ捨てろ】嫌儲(けんちょ)バイアスとは?お金の心理学マネースクリプトとは?

日本人ってお金儲けにすごくネガティブなイメージを持ってますよね。きっと戦後の貧しい時代の思想が名残になっているものと思います。

このようなお金を忌み嫌う傾向を「嫌儲バイアス」と呼びます。

嫌儲バイアスがある人ほど、お金持ちにはなれません

サービス残業に奉仕しても「致し方ない」と思う人も多いと思いますが、これも嫌儲バイアスの一つです。少しでも裕福になりたい人は、今すぐ嫌儲バイアスを捨てましょう。

逆に営業や広告では、顧客の嫌儲バイアスを意識しなければ、かえって煙たがられてしまいます。ビジネスで売り込むときの、嫌儲バイアスの回避方法も解説します。

嫌儲バイアスとは?

嫌儲バイアスとは…

お金儲けをしている人が嫌いになってしまう心理現象のことです。

正式な心理学の用語ではなく、ネットスラングから生まれた用語です。

2ちゃんねるの投稿を転載した「まとめサイト」でお金儲けする人を忌み嫌った「嫌儲」という造語が起源になっています。

転じて、お金儲け全般が嫌われてしまう傾向を「嫌儲バイアス」と呼ぶようになりました。

嫌儲バイアスの対象例

  • アフィリエイターが嫌われる
  • 情報商材屋が嫌われる
  • 若手経営者が嫌われる
  • 自分より稼いでいる人が嫌いになる

嫌儲バイアスの対象は、インターネット上の話に限りません。ただネットの情報は無料であることが多いため、ネットでお金儲けをする人が特に嫌われる傾向にあります。

近年はnoteのような堂々とネットで稼ぐ手段も増えてきたので、この風潮は緩和されているかもしれません。

「嫌儲」の読み方は決まっておらず、「けんちょ」「けんもう」「いやもう」など様々です。

2chのまとめサイトでお金儲けする人を特に嫌った2ch民を、嫌儲民(ケンモメン)と呼んだりもします。

嫌儲バイアスはなぜ起こるのか?

では嫌儲バイアスがなぜ起こるのでしょうか?これを示す事実は確認できていませんが、心理学的に考察してみます。

まず人間は本能的に、「他人と自分を比べて優位に立ちたい」と思う性質があります。そのため、他人が儲かっているという事実は、不愉快なこととして捉えられてしまいます。

もう一つのキーワードは認知的不協和です。

認知的不協和とは、自身の「考えていること」と「行動や結果」に矛盾があるときに、不快感を感じる現象です。

不快感を解消するために、不遇な自分を正当化する理由をでっち上げます。

例えば、タバコは体に悪いし、お金もかかると思っているのに、吸い続けている人がいるとします。

この矛盾を解消するために、「タバコを止めるとストレスが溜まるからかえって良くない」という理由をでっち上げます。

あからさまなお金儲けしている人を見たとき、自分にもそのチャンスがあったはずなのに、自分は儲からずにあの人は儲けている」という矛盾が発生します。

この矛盾を解消するためには、次のような理由をでっち上げなければなりません。

矛盾を解消する理由

  1. あの人は、絶対に悪いことをして金儲けしている
  2. あの人は、自分と違って育ちがいいだけだ
  3. 金儲けは汚いことなので、自分はあの人と同じ土俵では戦わない

3つ目の、お金を汚いことにして、自分は負けてないんだぞと思う心理が、嫌儲バイアスの原因と思われます。

さらに突っ込んだお金の心理学「マネースクリプト」

お金に関する心理学に、「マネースクリプト」という概念があります。

マネースクリプトとは、金融心理学者のブラッド・クロンツ博士が考案した、お金に対する価値観を4つに分類する考え方です。

①金銭忌避(お金は汚い!)

金銭忌避の傾向がある人は、「お金は悪」「高所得者は強欲で堕落している」「慎ましい暮らしが美徳」と考えています。

戦後の日本人に染み付いた考え方でしょう。その一方で、もっとお金があれば生活が楽になるのに、と考えている人も多いです。

自分の経済的状況を省みることが少なく、得られるお金が少なくなる選択を無意識にとってしまいがちです。

②金銭ステータス(金持ちはステータスだ!)

金銭ステータスの傾向がある人は、「人間の価値=稼いだ金額」と考えています。

見栄を張りたがり、年収を多めに言ったり、ブランドものに支出したりする傾向があります。出世欲が強い人は、こういう人が多い印象です。

③金銭崇拝(お金は幸せと自由をもたらす)

金銭崇拝の傾向がある人は、「お金はほとんどの問題を解決し、幸せをもたらすもの」と考えています。

それと同時に、お金だけで人生を100%は満足させることはできないとも考えています。

④金銭警戒(お金は慎重に使おう)

金銭警戒の傾向がある人は、「自身の経済状況に敏感で、働いて貯蓄することが大事」だと考えています。

不相応な支出をしないので、比較的経済的に裕福な生活を送ることが出来るます。これも日本人には多いと思いますが、過度に貯蓄するあまり人生を楽しめない人もいます。

【結論】お金を稼ぐなら、金銭忌避を捨てよ!

ブラッド・クロンツ博士は、アメリカの上位2.5%に入る超お金持ちから351人を選び、心理テストやアンケートを行いました。

要するに、お金持ちがどのマネースクリプトを持っているかを調べたのです。

  • 結果、もっともお金持ちになりやすいのは、「③金銭崇拝」の人たちだったとわかりました。
  • 逆にもっともお金持ちから遠ざかるのが、「①金銭忌避」の人たちでした。

すなわち嫌儲バイアスを持っている人ほど、お金を稼げないということです。当然といえば当然の結果ですね。

「金銭崇拝」を目指すよりも先に、まずはお金を汚いと思う「金銭忌避(=嫌儲バイアス)」を取り払うところから始めましょう

嫌儲バイアスをビジネスに活用する方法

多くの日本人は、嫌儲バイアスを持っており、お金に対してネガティブな感情を持っています。年収を他人に話すことに抵抗が多いのも、日本人の特徴です。

そのため、営業や広告などでも、「お金儲けを想起させる表現」は避けられてしまいます。お金儲けをするのに、お金儲けの話をしてはいけないとは、何とも矛盾していますね。

要は使い分けです。巧妙に嫌儲バイアスを避けて、顧客にアプローチする方法を紹介します。

ビジネス活用①:見込み客には売りっ気を出さない

クロージング段階まできていれば、見積や契約といったお金の話になるのは当然です。それを拒む顧客はいません。

しかしながら、見込み客は別です。まだ買うか考えていない状態で、売りっ気を出してくる人には警戒します。

わたしも飛び込み営業やテレアポをした経験があるのでわかりますが、初対面で売り込む人への風当たりの強さは、尋常ではありません。

お店に入って、店員が張り付いて商品を薦めてきたときと同じですね。

営業にかかわらず、広告も同様でしょう。あからさまに売る気満々のテレビショッピングには警戒心を抱きます。広告だらけのSNSアカウントを見たら萎えてしまいます。

見込み客には、売りっ気を出さずに接触するのが得策です。

ビジネス活用②:まずは情報提供から入る

売りっ気を出さずに顧客にアプローチするには、情報提供が効果的です。顧客に有用な情報を発信しますが、あからさまに見返りを求めてはいけません。GIVEに徹します。

営業であれば、業界の最新情報を伝えたり、お客さんの環境を第三者的に分析してアドバイスしたりします。あえて、自社商品の話を前面に出さないようにしましょう。

マーケティングの場合は、オウンドメディアで役に立つコラムを用意したり、SNSで情報発信したりするのが良いでしょう。

購買につながるリンクがどこかにあるのはいいですが、本文中で、あからさまに誘導しないのがポイントです。

「この営業(この会社)、あまり売り込んでこないな」というイメージを持ってもらい、嫌儲バイアスによる警戒心を解きましょう。

ビジネス活用③:顧客を教育する

ただ情報提供しただけでは、直接購買につながりません

見込み顧客があなたの商品を買いたくなるように、教育する必要があります。メルマガやライン公式アカウントなどが有力なツールです。

無償で行う情報提供やアドバイスの中に、「あなたの商品を買わなければ解決できない課題」を匂わせて、見込み顧客に課題に気づかせるのが得策です。

あなたが売り込まなくても、向こうから提案を依頼してくるのがベストです。こういう状況に持っていくと、顧客との間に信頼関係が生まれるので、価格競争に巻き込まれにくくなるメリットもあります。

教育期間は、単価が高いものほど長くなります。数百円の便利グッズに対した教育は必要ありませんが、専門学校や家、車などの高単価商品は、長い教育期間が必要です。

まとめ

今回は心理学(?)より「嫌儲バイアス」と「マネースクリプト」を紹介しました。

日本人に染み付いた「お金は卑しいもの」という考え方を真っ向から否定しなければ、お金持ちにはなれませんよ?

嫌儲バイアスとは…

  • お金儲けをしている人が嫌いになってしまう心理現象のこと
  • 正式な心理学の用語ではなく、ネットスラングから生まれた用語

マネースクリプトとは…

  • お金に対する態度を「金銭忌避・金銭ステータス・金銭崇拝・金銭警戒」の4つに分けた考え方
  • もっともお金持ちになりやすいのは、「金銭崇拝」
  • もっともお金持ちから遠ざかるのが、「金銭忌避」

ビジネスで嫌儲バイアスを逆手にとるコツ

  • 見込み客には売りっ気を出さない
  • まずは情報提供に徹し、顧客を教育する

嫌儲バイアスは、社会にとってはマイナスな存在

本編はここまでですが、もう一つ知って欲しいことがあります。

色々言ってきましたが、「それでもお金儲け性に合わん!」と、清貧に過ごすのは本人の自由です。本人の勝手なので、とやかく言うことではないでしょう。

ただ、嫌儲バイアスが他者に向けられたとき、社会の成長を阻害する悪しき存在になります。

例:推しのクリエーターがお金儲けをしだしたら…

例えば、あなたに好きなクリエーターがいたとしましょう。イラストでも音楽でも良いです。インターネット上で作品を公開しています。

そのクリエーターは、これまでは無料で作品を公開していました。ところが、努力の甲斐あってチャンスを掴み、ビジネスとして作品を展開することになりました。

このとき、嫌儲バイアスがある人は、「見損なった!お金儲けのためにやるなら、もうファンは辞める!」とか言い出します。

反対の声があまりに多いと、そのクリエーターは無料で作品を作り続けなければなりません。生活費を稼ぐために、会社員なりバイトなりを続けなければならなくなります。

そうすると、そのクリエーターは才能を100%発揮できず、将来の可能性を縮められてしまいます。そればかりか、そのクリエーターが作品作りに全リソースを投下すれば得られただろう経済的価値を、社会から摘み取ることに。

嫌儲バイアスは、自分のみならず、身近な人や社会全体をも貧乏にしてしまう思想なのです。

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≫【厳選】ビジネスマンがKindle Unlimitedで読むべき15冊

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≫【厳選】ビジネスマンがAudibleで聴くべき17冊

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