心理学・行動経済学

【俺に注目して!】ホーソン効果とは?ホーソン実験とは?ビジネスの活用例を解説

あなたの周りに、「あいつ、もっとやる気出してくれないかなぁ」と思う人はいませんか?

部下を持つマネージャーであれば、部下が全員やる気マンマンなんて状況はなかなかありません。多かれ少なかれ、やる気を出して欲しいメンバーがいるはず。

「ホーソン効果」は、注目される環境を用意することで、やる気を引き出す心理効果。社員のモチベーションアップはもちろんのこと、コンシューマーサービスのスケール戦略にも応用できます。

この記事では次のことがわかります。

  • ホーソン効果とは何か?
  • ホーソン効果で社員のパフォーマンスを上げる方法
  • ホーソン効果でコンシューマー向けプラットフォームを発展させる方法

周りにモチベーションを上げたい人がいる人は、是非チェックしてください!

ホーソン効果とは?

ホーソン効果(hawthorne effect)とは…

注目を浴びることで、「相手の期待に応えたい」という心理になり、パフォーマンスが向上する現象のこと。

仕事においては、「周囲の関心を集めていると知ることで、自己実現的に成果が上がる」、というプラスの効果がおきます。

しかしながら、医療の現場においてはマイナスの効果がおきることもわかっています。

信頼している医師の期待に応えたい心理から、患者が症状を報告しなかったり、症状が改善したように虚偽の報告したりします。

「ホーソン」は、アメリカのイリノイ州シカゴのはずれにあった「ホーソン工場」が由来になっています。

ちなみに、ホーソン(hawthorne)は、植物のサンザシという意味の英単語です。

ホーソン効果の実験例:「ホーソン実験」

1924年~1933年に渡り、電話機製造会社ウェスタン・エレクトリックのホーソン工場で、労働者の作業効率に関する実験が行われました。

この一連の実験群を「ホーソン実験」と呼びます。

当初の実験内容

当初のホーソン実験は、照明の明るさを調整することで、作業効率が上がるかの実験でした。

当初の実験結果

得られた実験の結果は、次の通り。

  • 照明を暗くしようが明るくしようが、作業効率は上がり続けた
  • つまり、照明の明るさと作業効率には相関が無いことがわかった

1927年、迷宮入りしかけたこの実験に、ハーバードビジネススクールのエルトン・メイヨー氏がこの実験に招かれました。

メイヨー氏の実験内容

メイヨー氏が手を加えた実験内容は次の通りです。

  • 100名の女子工員から6名を選び、実験に参加させた
  • 照明のほか、「賃金、休憩時間、軽食、部屋の温度・湿度」など、条件を変えて作業効率を計測した

メイヨー氏の実験結果

得られた実験の結果は、次の通りでした。

  • 条件が変わるたびに、作業効率は上がり続けた
  • 照明やその他の労働条件の違いは、生産性に影響しなかった

というわけで、何をやっても生産性が上がる謎の現象が起きたワケです。

最終的に、100名のうちの6人に選ばれたという注目度が、工員のやる気を引き出したという結論が導かれました。

そして、この注目されることでパフォーマンスが上がる現象に「ホーソン効果」という名前がつきました。

エルトン・メイヨー氏は、経営学の歴史では非常に有名な人物です。

メイヨー氏以前は、経営学の元祖フレデリック・テイラー氏が提唱する『科学的管理法』のマネジメント方式が正義とされていました。カンタンに言えば、社員を「管理者」と「作業者」に分け、徹底的に分業化し、機械のように働かせるのが最も効率的という考え方です。

これに対しメイヨー氏は、ホーソン実験を通して人間のパフォーマンスは感情、とりわけ人間関係に大きく左右されると気がつきました。そして『科学的管理法』に対し、より人間の感情を重視する『人間関係論』を提唱しました。

ホーソン効果と混同されがちな「ピグマリオン効果」

ホーソン効果とよく似た心理学用語に、ピグマリオン効果があります。

ホーソン効果とピグマリオン効果の違いは、次の通りです。

ホーソン効果 ピグマリオン効果
他人の注目を感じて自身のパフォーマンスが上がる現象 他者に期待することで期待した相手のパフォーマンスが上がる現象

多少違いはあるものの、相手が期待を感じてパフォーマンスが上がるという意味でどちらも似通っています。

ピグマリオン効果を詳しく知りたい人は、こちらも見てみてください。

≫ ピグマリオン効果とは?逆の意味のゴーレム効果とは? 実験事例で解説

ホーソン効果のビジネス活用例を紹介

ホーソン効果を活かすためには、パフォーマンスを上げたい相手に、「君の一挙手一投足はみんなに注目されているよ!」と感じ取ってもらう必要があります。

そのためには、何かしらの方法でその人を特別扱いしてあげる必要があります。

活用①:ホーソン効果で社員の成果を上げる

その社員へ注目度を感じさせて、成果を上げてもらうためには、次のような方法があります。

  • 若いうちに昇進させる
  • 企業内で優秀者を表彰し、大々的に扱う
  • 「上層部も君の案件を気にしているよ」と言ってあげる
  • プロジェクトに召集する

スタバやマクドナルドでは、優秀スタッフコンテストをやってますよね。こういう施策はお金がかかるだけに思われますが、参加者のモチベーションアップが期待できるので決して損はありません。

いずれにしても、優秀な人なら給料を多めにあげなければなりません。ついでに表彰しておけば、もっとやる気を出してくるので、やってみる価値ありです。

プロジェクトへ参加させることも有効。プロジェクトとは、通常の組織で行う仕事とは別の臨時活動を指します。そもそも何か特別なことをするのがプロジェクトなので、ここに参加するだけで「選ばれし者」の注目を浴びることになります。

活用②:コンシューマーサービスでホーソン効果を活用する

コンシューマー向けプラットフォームサービスを伸ばすためには、その中でスターになってくれる存在が必要です。

わかりやすく言えば、YouTuberのヒカキンさんみたいな人です。こういう人はインフルエンサーと呼ばれることもあります。

如何に注目を集める施策で、スター候補をやる気にさせて育てていくかが、サービススケールの試金石になります。

コンシューマーサービスの中でも、ソーシャル系サービスは注目度をうまく活用しています。例えば次の通りです。

  • SNSのフォロワー数
  • Youtubeの「いいね!」
  • Yahoo!知恵袋のカテゴリーマスターの称号
  • ソーシャルゲームのプレイヤーランキング

SNSやYoutubeでは、フォロワーやいいねで注目度を可視化しています。フォロワーに注目されていることでますますやる気になり、サービス全体を盛り上げ役割を果たしてくれます。

Yahoo!知恵袋のカテゴリーマスターの称号も有効な仕掛け。特に表彰されたからといって何があるわけでもないのに熱心に回答するのは、注目を浴びていると認識しているからです。

まとめ

今回は、心理学より「ホーソン効果」を紹介させていただきました。

簡単に言えば、相手の「承認欲求」を満たして、気持ちよくさせているだけ。ですが、人間の根源的な欲求に根ざしているので、効果は期待できるでしょう。

ホーソン効果とは…

  • 注目を浴びることで、「相手の期待に応えたい」という心理になり、パフォーマンスが向上する現象のこと

ホーソン効果で社員のパフォーマンスを上げる方法

  • 若いうちに昇進させる
  • 企業内で優秀者を表彰し、大々的に扱う
  • 「上層部も君の案件を気にしているよ」と言ってあげる
  • プロジェクトに召集する

ホーソン効果でコンシューマー向けプラットフォームを成長させる方法

  • 注目度を集める機能でスターを育てる
  • フォロワー、いいね、表彰、ランキングなどの機能を設ける

わたしはサラリーマン時代に、「ホーソン効果」をよく実感していました。

たまたま他の人より体とメンタルが強かったので、重い仕事を任されることが多く、全社で注目を浴びる案件を担当することが度々ありました。

その結果で高い評価をいただいたり、表彰されたり。そんな経験が何回も経た末に、全社肝煎りの新設部署の創設メンバーに抜擢されたりしました。

何やかんやで、その度にモチベーションは上がっていました。新設部署に選ばれたときが1番モチベーションが高まったと記憶しています。

思い返せば、その新設部署に向けられた全社の注目度が、とりわけ高かったからでしょう。「注目度の高さ」と「モチベーションの高まり具合」は、比例するのかもしれません。

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