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【宇宙の真理】78対22の法則とは?類似のパレート(2対8)の法則も解説

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森羅万象が「78:28」の比率に支配されているとしたら、どう感じるでしょうか?

自然も、ビジネスも、人の心もそうだとしたら…?

スピリチュアルな話に聞こえるかもしれません。ですが不思議なことに、あらゆる物事がこの比率に収束されていきます。誰かの意思に導かれるように。

この記事ではそんな「78対28の法則」と、これによく似た「パレートの法則」を解説しています。もちろんビジネスや生活に使える活用方法まで。

78対28の法則は、世界を支配する強力な法則の一つ。ぜひその片鱗を感じ取ってみてください。

78対22の法則とは?

「78対22の法則」とは、2つの構成要素から成るありとあらゆるものが、「78:22」の比率に収束するという宇宙の神秘を説いたもの。

誰が提唱したというような記録はなく、かなり古く(おそらく数千年前)から自然の摂理として扱われてきました。

なお78対22の法則は「プラスマイナス1%の誤差」を認めているので、実際には「79:21」や「77:23」もあり得ます。

「78対22」の割合に収束する事例

実に多くの現象や事柄が「78:22」の比率になっていることに驚きます。

  • 空気中の成分=窒素78%:酸素+その他22%
  • 地球の海の割合78%:陸地22%
  • 足の裏にかかる体重=かかと78%:つま先22%
  • 金を貸したい人78%:借りたい人22%
  • コカコーラ瓶の縦横比78:22

またこんなものもあります。

正方形のなかに、内接する円を描いてみます。すると円の面積と残りの面積は、78:22の比率になります。

「78:22」は黄金比と言えそうです。

逆に言えば、黄金比に逆らって「80%」や「90%」を目指そうとするのは、自然の法則に抗う行為ということになりますね。

78対22の法則に従うなら、完璧主義は間違いです。市場のシェアを100%刈り取るのも間違い。敵軍を100%殲滅するのも間違いです。

22%の余白や慈悲まで潰してしまうと、手痛いしっぺ返しを喰らうことになるでしょう。

「78対22」はユダヤの公理

日本マクドナルドの創業者で「銀座のユダヤ商人」と呼ばれた藤田田氏は、著書『ユダヤの商法』で、78対22の法則を紹介しています。

ユダヤ人は、ごく少数しかいないにも関わらず、数多くの世界的な大企業を牛耳り、ノーベル賞受賞者を多数輩出する民族です。ロスチャイルドもアインシュタインもユダヤ人です。

ユダヤ人は古代に母国イスラエル王国を失い、世界各国に散り散りになりました。各地で少数民族として迫害されながらも、知恵を武器に、金融やビジネスで世界に影響を与えてきました。

ユダヤの商人は、何千年にも渡って絶対視してきた78対22の法則を公理としています。公理とは、説明する必要すらない自明の真理と言う意味です。

文字通り受け取るなら、ビジネスで78%を目指すのに上司の説得は必要なく、ロジックもエビデンスも不要です。「公理ですから」と言うだけでOKということになります。

余談ですが、『ユダヤの商法』に影響を受けた人物に孫正義氏がいます。当時高校生だった孫氏は、藤田田氏と直接会話する機会を得て、コンピューターを学ぶよう勧められています。

孫正義氏が『ユダヤの商法』を読んでいなかったら、今日のソフトバンクは存在しなかったかもしれません。

類似のパレートの法則(2対8の法則、ニッパチの法則とも)

78対22の法則によく似たものに、パレートの法則(Pareto principle)」があります。19世紀にイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱されました。

別名「2対8の法則」「ニッパチの法則」とも呼ばれています。一般的にはこちらの呼び名の方が有名かもしれません。

考え方は78対22の法則と同じですが、適用範囲は「経済」のみとなっています。経済において、全体の数値の大部分は、一部の構成要素によって生み出されているという内容です。

8割の売上は2割の顧客から

1,000社の顧客がいるとしたら、そのビジネスの売上の8割は、200社の大口顧客からもたらされるという意味です。

「大口顧客」や「上客」がいるビジネスでは、しばしば見られる現象です。わたしはかつて通信キャリアで法人営業をしていて、やはり大口顧客が大体8割の売上を占めていました。

この文脈から、「売上を伸ばすなら、上位2割に集中しよう!」とよく言われます。確かに実体験としても、営業マンは大口を狙った方が成果を出やすいでしょう。

ただ残り8割の小口をターゲットにした新興企業に、市場から駆逐されるシナリオ(イノベーションのジレンマ)もあります。現在の上位顧客だけに集中するのは、中長期では経営リスクになります。

8割の売上は2割の商品ラインナップから

10種類の商品を扱っている企業は、たった2種類の定番商品で80%の売上を作っています。コンビニやスーパーでは、20%の定番商品の80%の売上を占めます。

ピッタリ8割かどうかはさておき、定番商品は消費者のイメージよりずっと強いものです。日清食品ならカップヌードルシリーズが圧倒的。他の商品が束になっても敵いません。

【参考】ロングテール理論

リアル店舗などの棚の大きさに物理的な制限があるビジネスでは、売上が2対8になりやすくなります。しかしながら棚の制限がないECではその限りではありません

Amazonや楽天のように無限に商品点数を伸ばせる場合は、むしろニッチな商品の総売上高が、定番商品のそれを上回る現象が起きます。

この現象を「ロングテール理論」と呼びます。ロングテールとは、グラフで書いたときに、後ろに長く伸びた部分です。

そのためEC業界では、2割の定番商品に集中するのではなく、むしろニッチなラインナップを伸ばす方にリソース投下する戦略が取れます。

8割の成果は2割の社員から

これもよくある話。優秀な20%の社員が、全体の80%の成果を出しています。

営業本部は、少数の優秀な営業マンの稼ぎによって成り立っています。

2:6:2の法則

パレートの法則に従うと、出来る人も2割なら、ダメな人もまた2割いるということになります。アリの社会でも、2割は全く働かないアリが出てきます。

「2:6:2の法則」によれば、組織の人員は次のような構成に落ち着きます。

  • 上位20%
    :意欲的に働く。自主的に勉強しスキルアップに励む
  • 中位60%
    :普通に働く。ただし自主的に行動は起こさない
  • 下位20%
    :怠け者。すぐサボる

上位20%は、必要に応じて進んで勉強するので、チャレンジングな仕事を与えても乗り越えてくれるでしょう。抽象的な仕事もこなせるので、将来のリーダー候補です。

中間の60%は、リーダーが方向性を示してあげないと動けません。マイクロオペレーションにならない程度に具体的に指示する必要があります。マジョリティの彼らをどう底上げするかが、組織全体のパフォーマンスを上げる鍵になります。

下位20%を追い出してしまっては、中間層の下位がこの位置までズルっと下がってしまいます。またダメな奴が下にいることが、中間層の心理的安全にもつながっています。簡単なミッションを与えて、留まってもらうのが良いでしょう。

「78対22の法則」をビジネスや私生活で活かす方法

ユダヤの公理になっている「78対22の法則」、それによく似た「パレートの法則」は、ビジネスや私生活にも多いに活用できます。

そのアイデアを6つ紹介します。

活用①:大事な仕事は22%しかない

タスクを一つずつ片付けていると、なんとなく仕事をしている気になりますが、78%はどうでもいい仕事です。本当に大事な仕事は22%しかありません

パーキンソンの法則によれば、人間はリソースが余ると、余計な仕事を作って埋めようとします。

ある作業を「3日でやれ」と言われれば、その人は3日で収まるように仕事をします。ですが「10日でやれ」と言われれば、10日で収まるように手間暇をかけるようになります。

組織の中にはムダな仕事で溢れています。「この仕事は自分がやるべき仕事なのか?」「この仕事はなぜ必要なのか?」自分にも、上司にも問いかけてください。

やりたい事リストは、いつだってやれる事より多いはず。「やる意思決定」よりも「やらない意思決定」の方がずっと重要なのです。

活用②:付き合うべき人は22%しかいない

「ジラードの250の法則」によれば、1人の人は平均で250人とつながりがあります。その80%はあなたにとって不要な人間関係です。

人間関係とは厄介なもので、興味のない誘いが絶えません。断るのも一苦労。何回かに一回は断りきれずに、ムダな付き合いに顔を出すハメになるかも。お金もかかります。

あなたからTAKEしていくだけで、GIVEしてくれない人は切りましょう。愚痴や文句ばかり言う人、昔話ばっかりする人も切りましょう。あなたの成長を喜ばない人は切りましょう。

あなたに「癒し」や「機会」を与えてくれる人とだけ付き合いましょう

活用③:論破せずに22%の逃げ道を用意する

逃げ場のなくなった人間はどうなるか。もう戦うしかありません。徹底抗戦です。窮鼠は猫に噛みつくのです。

歴戦の名将は、絶対の優位が確定していない限り、勝ち戦でも深追いはしません。敵の最後の一人まで殲滅しようとはしません。あえて逃げ道を残しておきます。

第一次世界大戦の後、世界が「もう戦争は絶対にしたくない」と思っていたのに、ドイツは戦端を開きました。敗戦後のベルサイユ条約で、再起不能レベルまで叩き落とされていたからです。

相手を100%論破すれば、相手は開き直って反撃してくるでしょう。その場で行動に起こさなくても、長期に渡って根に持つかもしれません。

盗人にも五分の理を認め、22%くらいは逃げ道を残しておくのが大人の対応です。

活用④:市場のシェアは最大78%まで

破竹の勢いで快進撃を続けていると、市場のシェアを「100%独占してしまえ!」と思ってしまいがち。競合を叩き落としておけば、将来安泰になると思ってしまうからです。

ですが、独占は市場にとってはかえって毒になります。

競合がいないと競争がなくなり、市場全体のパイが伸びなくなってしまいます。またBtoB市場の場合、サプライヤーが1社だけで代替が効かない状態はリスクと判断されます。

ビジネスのシェア戦略を説いたランチェスター戦略も同様の見解です。78%ではありませんが、最大でも73.9%占めていれば十分。それ以上は必要ナシとしています。

活用⑤:78%の完成度を基準に

仕事は最後の詰めに膨大な時間がかかります。78%の完成度にかかる時間は、全体の22%そこから100%に到達するまでに、残り78%の時間を使います

現代はVUCAの時代。ビジネスは先が読めません。読めないなら早めに市場に出して、顧客の反応を見ながら修正していくのが正解です。78%の出来でローンチしましょう。

VUCA(ブーカ)とは?

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の4つのキーワードから頭文字を取った用語。

予測が難しい現代のビジネス環境を表しています。

上司やクライアントに頼まれた仕事は、78%の進行で一度レビューしてもらいましょう。方向性が間違っていれば傷が浅いうちに修正できます。78%の品質で十分となり、クローズできる場合も往々にしてあります。

活用⑥:22%の革新派になれ

人材の価値は「希少性」です。すなわち他人との差異に値段がつきます。

大多数の保守派の人は、周りの人と同じ行動を取りたがります。同じキャリアを進み、同じスキルを学び、同じような人材になりたがります。

78%の保守派に迎合せず、22%の革新派になりましょう。凡人が成功するなら、他人と違うことをするのが1番の近道です。

まとめ

今回は「78対22の法則」と、よく似た「パレートの法則(2対8の法則、ニッパチの法則)」を解説しました。

78対22の法則とは…

  • 2つの構成要素から成るありとあらゆるものが、「78:22」の比率に収束する

パレートの法則とは…

  • 経済において、全体の数値の8割は、2割の構成要素によって生み出されている

もちろん森羅万象のすべてが、「78:22」の比率で揺るがないわけではありません。

世の中は絶えず動いているので、比率が変わることも往々にしてあります。78対22の法則の例の中には、「それは嘘じゃない?」と思うものも散見されます。

ですが直感的に、多くの事柄がおおよそ「8:2」の比率に収束しているのは、違和感ありません。少なくとも「6:4」や「5:5」ではありません。必ず大きく偏ります。

ユダヤ人には少なくとも3,000年以上の歴史があります。その長い歴史で「公理」として扱われてきたのには、それなりの理由があるはずです。

さじ加減に迷ったときは、ぜひ「8:2」を意識してみてください。これは公理です。疑う必要はありません。

関連書籍

記事内で紹介した『ユダヤの商法』。著者の藤田田氏は、日本マクドナルドの創業者にして、孫正義氏にも影響を与えた伝説的な人物です。

冒頭で「78対22の法則」に触れられており、以降はビジネスの世界に存在する「ユダヤの公理」を徹底的に紹介しています。実はマクドナルドもユダヤの公理に叶ったビジネスです。

同書はAudibleの聞き放題対象になっています。初月は無料なので本当にタダで聞けてしまいます。

≫ Audible(初回30日間無料)で本書をチェックする

もう一つは『エッセンシャル思考』です。エッセンシャル思考は「8対2」どころではなく、大事なことは「99対1」だと述べています。

1%の大切なことをするために、99%に「NO」を突きつける方法を解説しています。

社会人の学びに「この2つ」は絶対外せない!

あらゆる教材の中で、コスパ最強なのが書籍。内容はセミナーやコンサルと遜色ないレベルなのに、なぜか1冊1,000円ほどしかかりません。

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しかし現代はありがたいことに、月額で本読み放題のサービスがあります!

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新刊のビジネス書が早々に読み放題になっていることも珍しくありません。個人的には、ラインナップはかなり充実していると思います。

Kindle Unlimited 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがKindle Unlimitedで読むべき15冊

外せない❷ Audible

こちらもAmazonの「Audible(オーディブル)」は、耳で本を聴くサービスです。月額1,500円で約12万冊が聴き放題になります。

Audibleの最大のメリットは、手が塞がっていても耳で聴けること。通勤中や家事をしながら、子供を寝かしつけながらでも学習できます。

冊数はKindle Unlimitedより少ないものの、Kindle Unlimitedにはない良書が聴き放題になっていることも多い。有料の本もありますが、無料の本だけでも十分聴き倒せます。

Audible 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがAudibleで聴くべき17冊

ちなみにわたしは両方契約しています。シーンで使い分けているのと、両者の蔵書ラインナップが被っていないためです。

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