自己啓発

取り残される恐怖「FOMO」を事例で解説。抜け出して「JOMO」の精神で楽しもう!

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2010年代に米国でバズワード化した「FOMO」人間本来の心理とテクノロジーの進化が合わさったことで起きた社会問題を揶揄する言葉です。

FOMOの精神は太古の昔からあり、今さら始まったものではありません。しかしSNSとの相性がバツグン(悪い意味で)だったために、現代において注目を浴びています。

FOMOは強力な心理作用をもたらすため、マーケティング界隈でも頻繁に利用されています。その一端も紹介しましょう。

しかしあなたはFOMOに惑わされるべきではありません

そしてFOMOへのアンチテーゼとして出てきたのが「JOMO」です。ぜひFOMOを反面教師に、JOMOの精神を取り入れてはいかがでしょうか?

この記事を読み終えたあなたは、昨今のネット社会を1歩引いた位置から見ることができます。大切な自分の時間を取り戻すことができるはずです。

ぜひ最後までお付き合いください。

FOMOの意味=取り残される恐怖

「FOMO」は、”Fear Of Missing Out(取り残されること、見逃すことへの恐怖)”の略語です。ちなみに「フォーモ」と発音します。

マーケティング戦略を専門とするオクラホマ州立大学のダン・ハーマン氏が、1996年に明らかにし、2000年にビジネス誌「The Journal of Brand Management」で、学術論文として発表しました。

周りの人がエスカレーターでドンドン上に登っていくのに、自分だけ階段の踊り場で立ち止まっている感覚。この焦燥感がFOMOのイメージです。

FOMOはインターネット社会の現代病

インターネットは2つの大きな産物をもたらしました。

  • 1つ目は「圧倒的な情報量」
  • 2つ目は「他人との常時接続」

です。

インターネット以前の時代は、自分も周りの人も新聞・テレビ・雑誌で同じような情報を見ていました。現代人の感覚から見れば、昔の人は皆そろって情弱。そこに情報格差はありませんでした。

しかしインターネット(+スマホ)の普及により、現代人は大量の情報を浴びるのが当たり前になってしまいました。その結果、最新情報を追い続けないと社会から取り残されてしまう不安に駆られてしまいます。

またインターネット以前の時代は、周りの人も自分と同じく常時接続の手段がありません。そのため自分だけ除け者にされて、他の友人達がグループチャットで会話する心配はありませんでした。

しかし常時接続している現代人は、自分が除け者にされていないか逐一チェックしなければなりません。そのためSNSやチャットアプリを数分おきに見なくては気が済まない状態に陥っています。

FOMOは、テクノロジーの進化によって起きた現代病と言えるでしょう。

FOMOの事例

現代人がいかにFOMOに振り回されているか。それを示す事例を3つ見ていきましょう。心当たりがないか、ぜひあなたの日常と照らし合わせてみてください。

事例①:SNS

SNSにはキラキラした生活をしている人や、誰もが羨むステータスを獲得した人で溢れています。しかも際立ったシーンばかり投稿しているので、四六時中キラキラしている印象を受けます。

実際にはそういったキラキラ投稿をしている人はごく一部ですが、それを見ているごく普通の人は、自分だけが取り残されているような感覚に陥ります。

またSNSで他人とつながっていると、他人の反応が逐一気になります。

除け者にされたくない思いから、つながりが途切れていないかチェックし、つながりが確認できると安心します。結果として、1日に何度もタイムラインを覗いてしまうのです。

FOMOの精神は「SNS依存」を引き起こし、そして「ソーシャル疲れ」に至ります。

事例②:仮想通貨(暗号資産)

FOMOは、仮想通貨(暗号資産)の界隈でもよく用いられる単語です。「FOMOに気をつけよ!」と、主に悪い意味で使われています。

仮想通貨はハイリスクな反面、やはり当たったときのリターンは莫大。他人がおいしい機会を手に入れ、自分が取り逃がすことは非常に悔しい。ここにFOMOの精神が現れます。

しかしFOMOがもっとも強く現れるのは、その銘柄が急上昇した直後。過大な評価がされているケース(つまりバブル)が多く、ここで投資をすると大損する可能性が高いのです。

FOMOは仮想通貨に限らず、投資全般で共通します。「隣人が労せず儲かるのを黙ってみていられない」と投資に駆られた初心者が、市場のカモになってしまうのです。

17世紀オランダのチューリップバブル、1929年の暗黒の木曜日(世界恐慌)前夜の株式バブルは、いずれもFOMOによって引き起こされた結果です。

事例③:断りたいのに断れない

人によって分かれるところですが、気が進まない他人のお誘いやお願いを断れない人が一定数います。

断ってしまったら、その友人やそのグループから仲間外れにされてしまいます。自分だけ取り残されたくないので、つながりを維持するために、気が進まない要求を呑んでしまうのです。

小中学校でもよく見る光景で、なかなか根深い心理のようです。よく誰かと一緒じゃなきゃ下校できない子がいますが、これもFOMOの精神によるものでしょう。

なぜFOMOが起こるのか?

人間の思考パターンは、1万年以上前の狩猟採集社会だった頃と全く変わっていません。人間は進化のスピードより早く文明が発達してしまった稀有な生物なのです。

というわけで、FOMOも太古の昔にいた我々の祖先にルーツがあると考えられます。

狩猟採集民だった我々の祖先は、血縁関係で結ばれた複数世帯からなる集団で生活していました。男衆は狩りを、女衆は木の実を取ったり、集団に生まれた子供をみんなで面倒見たりしていました。

集団が助け合って、個々の生存確率を上げていたのです。だから集団から取り残されたり、自分がいないところでヒソヒソ話をされたりするのは、危機的状況につながります。

人間は社会的な生き物です。社会的だからFOMOの精神が宿るのです。もし人間が一匹狼のように単独で生きるタイプの生き物だったとしたら、我々の遺伝子にFOMOはプログラムされていなかったでしょう。

しかし現代においては、他人とのつながりが絶たれたとて死ぬことはありません。地域のつながりや会社のつながりは、引っ越したり転職したりすれば消えてしまう儚いものです。

現代人のライフスタイルから考えると、FOMOは防衛本能が過剰反応した結果と言えます。

FOMOと関連する心理学用語

FOMOに関連する心理学用語がいくつかあります。代表的なものをピックアップしてみました。

①マズローの「所属と愛の欲求」

アブラハム・マズローの5段階の欲求は、一般にピラミッドの形で知られています。誰しも一度はこの図を見た記憶があるのではないでしょうか?

このうちの真ん中、下から3番目に当たる「所属と愛の欲求」に注目しましょう。この欲求は、「他人とつながりを持ちたい」「何かのグループに所属したい」という欲求です。

裏返せば、「他人との関係から取り残されたくない」となりますね。まさにFOMOそのものです。

≫_マズローの欲求段階説とは?例を交えて丁寧に説明【全ての根源は「欲求」にある!】

②同調効果(ハーディング現象)

人間はとにかく周りの人と同じ行動、同じ服装、同じ進路を選択したがります。

この傾向は、心理学では「同調効果」、行動経済学では「ハーディング現象」と呼ばれています。他人と同じ行動を取りたがる心理は、FOMOとよく似ています。

周りの人と同じ行動を取らなければ除け者にされるかもしれないし、同じ情報をキャッチアップしていなければ取り残されてしまうと感じるからです。

≫【また誰かの真似するの?】同調行動(ハーディング現象)とは?身近な具体例で解説

③バンドワゴン効果

「バンドワゴン効果」は、人気があるモノほど欲しくなる現象です。同調効果の一現象を切り取った概念と言っても良いかもしれません。

一般的にバンドワゴン効果は、「たくさんの人が選んだモノ=優れているはず」というシンプルな思考パターンに起因していると言われています。

ただファッションのような、特定グループへの所属意識が絡む場合に起きるバンドワゴン効果は、取り残されたくないというFOMOの精神が働いているように感じます。

≫【流行の正体はコレ】バンドワゴン効果とは?具体例で解説【売れる商品はもっと売れる】

FOMOのマーケティング活用

FOMOを刺激すると強い誘引力が期待できるため、マーケティング界隈ではしばしば利用されています。

ただし「取り残される、見逃してしまう」という感情を掻き立て購入を促すマーケティング施策は、ブラックハット的と言えるでしょう。

ここでのブラックハットとは、脳の構造を逆手に取り、ネガティブな感情を煽って行動させる手法を指しています。反対にユーザーのポジティブな感情を引き出して行動させる施策は、ホワイトハット的です。

ブラックハット的な施策は悪いわけではなく、したたかに利用すべきです。しかしブラックハットに寄りすぎると反感を買う結果になってしまいます。バランスには注意しましょう。

活用①:今だけ!

FOMOを煽る典型的なワードが、「チャンスは今だけ!」です。

  • いま買わないと他の人の手に渡ってしまいます!
  • このお値段で提供させていただくのは今日限りです!
  • 販売は番組終了後、30分間のみお受付いたします!

といった「今だけ!」を煽る謳い文句には、とても強い誘引力があります。

FOMOの精神により、そのチャンスを見逃して後悔する未来を避けたいと考えます。結果として、必要以上に購買意欲を煽られて、ときには要らないものまで買ってしまうのです。

活用②:他の人も興味を持っている

「あなたの他に〇〇人がこの商品に興味を持っています」という謳い文句も、FOMOの感情を煽ることができます。

不動産屋の営業は、「この物件、いま3件問い合わせが入ってますね。この後お客様の後にも内見の依頼が入ってます」なんてセリフを口にします。

数が限られる商品であれば、誰かが買ったら自分は機会を失います。このセリフは、強烈な誘引力を発揮するでしょう。

また数が限られていない商品や、そもそも数の概念がない情報であっても、他にたくさんの人が興味を持っている(あるいは購入している)ことを示すのは有効です。

たくさんの人が持っている、あるいは知っているということは、自分もその商品なり情報なりを消費しなければ、話題についていけなくなるからです。

  • 「〇〇〇万食突破!」
  • 「1秒に◯個売れています!」
  • 「〇〇人がお気に入り登録しています!」

といった表記は、効果的な謳い文句になっています。

活用③:忙しいふりをする

忙しいか暇かに関わらず、あえて忙しいふりをするのも、FOMOを刺激します。

なぜなら、「忙しい=他のお客さんが殺到している=自分のチャンスが刻一刻となくなっている」という感覚になるからです。

コールセンターで注文を受け付ける場合は、「オペレーターが待機しています。いつでもお電話ください」ではなく、「つながりづらい場合は、時間をおいておかけ直しください」の方が誘引力は上がります。

営業系の職種(フリーランスの自己営業も含む)全般で使えるテクニックです。

活用④:まだ〇〇してないの?

色んなパターンが考えられる「まだ〇〇してないの?」は、ストレートにFOMO精神を駆り立てるフレーズです。

言うまでもなく、他の人はすでに先を行っていて、あなただけが取り残されているという印象を与えるからです。

  • まだ投資始めてないの?
  • まだ年収低いままで働いてるの?
  • まだ特典を受け取ってないの?

といった感じですね。

キャッチフレーズとして使えば、受け取ったユーザーは、まだ行動していないことで損している気分になります。そして今すぐ行動を始めたい衝動に駆られます。

あなたが目指すべきは「JOMO」だ!

人を動かすには何かと悪用できてしまうFOMOですが、あなたは惑わされてはいけません。

FOMOのアンチテーゼとして打ち出されたのが、「JOMO(ジョーモ)」です。”Joy Of Missing Out(取り残されることの喜び)”の略語です。

前述のように、「取り残されたくない」と感じてしまうは、血縁者で寄り集まって生活していた祖先の名残です。当時は取り残されたら命の危機だったので、FOMOは生存本能として必要でした。

しかし現代は誰に嫌われようが、死ぬことはありません。それどころか、余計なしがらみを断ち切れば、かえってQoLが上がるケースの方が多いほどです。

いっそのこと大切ではない人間関係から距離を置いて、自分の時間を取り戻して楽しもうという発想が、JOMOに込められています。

最後にJOMOを実現するためのヒントを3つ紹介しましょう。

レベル1:デジタルデトックス

体から毒素を抜く健康法をデトックスと呼びます。そのデジタル版が「デジタルデトックス」です。

デジタルデトックスの例

  • スマホを家に置いて散歩する
  • アプリの利用時間を制限する(21時以降は使わないなど)
  • 1ヶ月間1度も使わなかったアプリは削除する
  • 家族や友人と過ごす時間は、スマホをカバンにしまう

デジタルデトックスをいざ試してみると、「何だ、別になくてもほとんど困らないね」と気づきます。むしろ充実した時間が増えたと実感できるでしょう。

レベル2:必要以上に迎合しない

人間は何かと周囲の人と歩調を合わせようとしてしまいがち。その人があなたの人生にとって重要な人でなかったとしても、本能的にそう行動しようとしてしまうのです。

思い切って、

  • 会社の飲み会を断ってみてはいかがでしょうか?
  • 学生時代の友人の集まりを断ってみてはいかがでしょうか?

本当に必要な人間関係は大切にしなければなりませんが、惰性の付き合いならいっそのこと断ち切ってしまう方がスッキリします。

毎回断り文句に悩むことはなくなります。そしてあなたが重要だと思っていることに、時間と情熱を注ぎ込めるようになるでしょう。

レベル3:自分実現を追求する

目標や絶対に優先したい好きなことがあれば、それ以外のことはどうでも良くなるもの。

ワンピースのルフィは、海賊王になることが目標。それ以外のことに興味がありません。クルーや倒すべき敵には興味がありますが、それ以外の人は眼中にありません。

実在の人であれば、さかなクンを思い出してみてください。わたしの想像ですが、好きなことを追求し、それ以外の雑事を放棄したからこそ、あれほど尖った人材になったのではないでしょうか。

スティーブ・ジョブズも、有名な「コネクティング・ザ・ドッツ」のスピーチの中で、情熱のままに突き進み、それ以外の全てを捨てろと主張しています。

あなたが自己実現したい方向が定まれば、他人が何を言おうが関係ありません。FOMOなんてかけらも感じなくなります。

あなたはどんな人を目指しますか?

社会人の学びに「この2つ」は絶対外せない!

あらゆる教材の中で、コスパ最強なのが書籍。内容はセミナーやコンサルと遜色ないレベルなのに、なぜか1冊1,000円ほどしかかりません。

それでも数を読もうとすると、チリも積もればで結構な出費に。ハイペースで読んでいくなら、月1万円以上は覚悟しなければなりません…。

しかし現代はありがたいことに、月額で本読み放題のサービスがあります!

外せない❶ Kindle Unlimited

Amazonの電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」は、月額980円。本1冊分の値段で約200万冊が読み放題になります。

新刊のビジネス書が早々に読み放題になっていることも珍しくありません。個人的には、ラインナップはかなり充実していると思います。

Kindle Unlimited 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがKindle Unlimitedで読むべき15冊

外せない❷ Audible

こちらもAmazonの「Audible(オーディブル)」は、耳で本を聴くサービスです。月額1,500円で約12万冊が聴き放題になります。

Audibleの最大のメリットは、手が塞がっていても耳で聴けること。通勤中や家事をしながら、子供を寝かしつけながらでも学習できます。

冊数はKindle Unlimitedより少ないものの、Kindle Unlimitedにはない良書が聴き放題になっていることも多い。有料の本もありますが、無料の本だけでも十分聴き倒せます。

Audible 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがAudibleで聴くべき17冊

ちなみにわたしは両方契約しています。シーンで使い分けているのと、両者の蔵書ラインナップが被っていないためです。

どちらも30日間は無料なので、万が一読みたい本がなかった場合は解約してください(30日以内であれば、仮に何冊読んでいても無料です)。

そして読書は、早く始めた人が圧倒的に有利。本は読めば読むほど、複利のように雪だるま式に知識が蓄積されていくからです。

ガンガン読んで、ガンガン知識をつけて周りに差をつけましょう!

とりあえず両方試してみて、それぞれのラインナップをチェックするのがオススメです!

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