「仕事ができる人って、なんであんなに鋭いことに気がつけるんだろう?」と思ったことはありませんか?
確かに言われて見ればその通りなんだけど、そんな考え方は全く思いつかなかった…。そんな経験おありですよね。
そんな鋭い人の視点を持つためには、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」を持ちましょう。
- 鳥のように物事を俯瞰し、
- 虫のような目線で細部まで意識を張り巡らし、
- 魚が潮の流れを読むように時代の流れを読む。
これを意識すると、説得力のあるロジックを考えることができます。
VUCAと言われる現代においては、第4の目である「コウモリの目」も大切です。コウモリのように逆さになって世界を見渡すと、固定観念に縛られない発想ができます。
この記事では、次の3つのシーンの視点を紹介しています。
- 営業における4つの目
- 新規事業企画における4つの目
- マネジメントにおける4つの目
ビジネスマンは、この「3+1の視点」を持って、ロジカルで鋭い意見を持ちましょう!
鳥の目 虫の目 魚の目とは?
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」とは、ビジネスで注意すべき3つの視点です。
汎用的に当てはまるので、
- 営業
- 新規事業企画
- マーケティング
- マネジメント
- 経営
など、全てのポジションのビジネスマンが持つべき視点です。この3つのいずれかの視点が欠けていると、盲点が出てしまいます。
優れた洞察を持ったビジネスマンほど、直感的にこの3つの目線を意識しています。どれかの目線が欠けた話を聞くと、鋭い指摘をもらいます。
おまけで、4つ目の「コウモリの目」があります。
この目線は、常に意識する必要はありませんが、新しい発見をするときに役立ちます。VUCA(ブーカ)の時代になり、重要性が増しています。
鳥の目「大局観を見る」
鳥のように高い位置から全体を見渡すことを「俯瞰」または「鳥瞰」と呼びます。目先のものごとに捕われず、マクロな視点から大局観を見るという意味です。
「鳥の目」が欠けている人にありがちなのが、全体感を議論しないうちに、重箱の隅をつくような細かい指摘ばかりすることです。いわゆる「木を見て森を見ず」ですね。
ホームページのコンセプトが決まらないうちに、文字のサイズがどうとか、枠のデザインが気に食わないと言ったところで無意味です。こういう人は一定数いるものです。
虫の目「微に入り細をうがつ」
マクロ視点の「鳥の目」の逆を意味するのが、ミクロ視点の「虫の目」です。自分が小さな小さな虫になったように、ものごとの細部までつぶさにチェックする目です。
「神は細部に宿る」と言われるように、細かいところまで徹底的にこだわり抜いた人が、ビジネスで勝利します。「虫の目」が欠けていると、結局ビジネスを遂行することができません。
大風呂敷を広げる割に、細かい議論が詰まっていないので、全く状況が進まない。いつも評論ばかりで、具体的な作業まで落とし込めない。こういう人は、何も成し遂げられません。
魚の目「時流を読む」
魚は潮の流れを読みながら海を泳いでいます。「魚の目」は、過去から現在、そして未来へ続く時代の流れを読む目です。
ビジネスは静的ではなく動的です。
社会構造が変わり、文化が変わり、技術が進歩します。市場の環境は常に変動しています。今の時点だけ見れば正解でも、3年後は正解ではないかもしれません。
「魚の目」を意識しないと、時代に取り残されてしまいます。いつまでも過去と現在しか見ず、未来に目を向けない人を「老害」と呼びます。
+コウモリの目「固定観念を疑う」
コウモリは逆さまになって世界を見ています。「コウモリの目」は、当たり前の世界を別の角度から見る目、すなわち固定観念を疑う目です。
「この仕事は何のために必要なのだろうか?」「みんなが盲目的に従う、誰かの敷いたレールは、本当に正しい道筋なのか?」といった目線を持ちましょう。
「コウモリの目」が欠けていても、致命的な失敗は犯しません。
ただし、その時代のステレオタイプになり、新しい発見ができなくなります。成功者と呼ばれる人の多くは、固定観念を打ち破って、新しい価値を発見した人です。
営業における4つの目
営業における4つの目は、どんな視点でしょうか。一緒に例を見ていきましょう。
営業における「鳥の目」
顧客ターゲットを選定する目。
- 法人営業なら業種や規模でターゲット企業を選定する
- 個人営業なら年齢、性別、居住地などで見込み顧客にあたりをつける
営業における「虫の目」
実際の個々の顧客の環境や、購買プロセスなどをつぶさにチェックする目。
- 既存サービスは何を使っているんだろう?
- どれだけのコストで、どれだけの成果が出ているんだろう?
- 購入意思決定者は誰だろう?(部長職?大黒柱のお父さん?)
- 購入のための稟議には何を書くんだろう?そのためにどんな情報を与えればいいだろう?
営業における「魚の目」
業界のトレンドや、季節イベントを敏感にキャッチする目。
- この業界には規制緩和の動きがあるので、新規ビジネスの投資があるはず。予め提案を仕込んでおこう
- もうすぐサラリーマンはボーナスが入って財布の紐が緩くなる時期。今のうちに高額商品の営業を仕掛けておこう
営業における「コウモリの目」
営業手法を疑う目。押してダメなら引いてみる。
- このお客さんいつも相見積もりばっかで、全然注文くれない。いっそ依頼される前に見積もり出してみようかな?
- あのお客さんワガママばかりで商売にならない。いっそこちらから切ってしまおうか?
新規事業企画における4つの目
続いて新規事業における4つの目を取り上げます。一緒に例を見ていきましょう。
新規事業における「鳥の目」
市場・市況を見渡す目。課題仮説を作る能力。
- この市場はどれくらいのポテンシャルがあるんだろう?
- 競合サービスはどんなものがあるんだろう?
- 単価はいくらくらいが相場なんだろう?
- この業界はどんな課題があるんだろう?
新規事業における「虫の目」
顧客インタビューなどの一次情報を見る目。具体的な事業の実現方法をつぶさに見る目。
- お客さんは今どんな代替手段を使っていて、どんな気持ちなんだろう?
- どうやって探して、どうやって買って、どう使い始めるんだろう?
- どういうフローで事業を回そう?(決済は?物流は?カスタマーサポートは?)
新規事業における「魚の目」
テクノロジートレンド、社会構造の変化、規制緩和を見る目。
- この市場は、AIによって生産性が劇的に変わるはずだ。早めに参入しておこう
- この業界は、少子高齢化でここ5年で需要が倍増するはず。攻め所だ
- 5Gの普及により、データ転送量が爆発的に増えれば、動画コンテンツが増えるはず。さらにはVRやARで3Dコンテンツが台頭するはずだ
新規事業における「コウモリの目」
業界の常識を疑う目。
- 本当にこの仲介業者は必要なのだろうか?直接顧客に販売できるんじゃないか?
- 実は既存製品の高性能な機能なんていらなくて、取っ払って安く売った方が儲かるんじゃないか?
マネジメントにおける4つの目
最後にマネジメントにおける4つの目です。
マネジメントにおける「鳥の目」
目的を見定める目。品質、納期、コストの見極める目。
- そもそも我々が解決しなければならないミッションは何か?
- このミッションには、何名の人員が必要だろう?
- ミッション達成には、いくらくらいのコストがかかるだろう?
- 期間はどのくらいかかるだろう?
マネジメントにおける「虫の目」
個々人の適性にあった適材適所なリソース配分を見極める目。
- あのエンジニアは癖が強いから、ベテラン社員に対応させよう
- 新人さんはケアが必要だから、面倒見の良い若手社員を指導に当てよう
- 最近、あの人元気がない。何か悩みを抱えていないだろうか?
ここで1点注意。マネジメントの「虫の目」は、部下の行動を細かく監視するマイクロマネジメントを推奨しているわけではありません。
マイクロマネジメントは、かえって社員のやる気を失わせます。
そうではなく、部下ひとりひとりの個性と能力に合わせた、仕事の割り振りや納期設定をするということです。
マネジメントにおける「魚の目」
自身のキャリアを意識する。会社の方向性の理解する。
- 自分がもっと大きな仕事をするためには、今の自分の仕事を他の人に頼まなければならない。今のうちに若手が後任を担えるように育てよう
- 当社の中期経営計画を見てみよう。まだ指示はきていないが、いずれ大きなミッションが来るはずだ。今のうちに体制を考えておこう
マネジメントにおける「コウモリの目」
既存業務プロセスを疑う目。
- この業務プロセスは本当に必要なのだろうか?思い切ってやめてしまおうか?
- 本当にこの仕事は我々が行うべきなのだろうか?他の部署や外注に任せた方が、パフォーマンスが向上するのではないか?
まとめ
今回はビジネスマンが持つべき視点、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」+「コウモリの目」を紹介しました。
あらためて、振り返りましょう。
- 鳥の目
:目先のものごとに捕われず、マクロな視点から大局観を見る目
- 虫の目
:ものごとの細部までつぶさにチェックする目
- 魚の目
:過去から現在、そして未来へ続く時代の流れを読む目
- コウモリの目
:固定観念を疑う目
プレゼンするときや、戦略を考えるときは必ず4つの目を意識しましょう。
他人から何か説明を受けたときも同様で、この4つの視点で見落としが無いようにしましょう。
社会人の学びに「この2つ」は絶対外せない!
あらゆる教材の中で、コスパ最強なのが書籍。内容はセミナーやコンサルと遜色ないレベルなのに、なぜか1冊1,000円ほどしかかりません。
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しかし現代はありがたいことに、月額で本読み放題のサービスがあります!
外せない❶ Kindle Unlimited
Amazonの電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」は、月額980円。本1冊分の値段で約200万冊が読み放題になります。
新刊のビジネス書が早々に読み放題になっていることも珍しくありません。個人的には、ラインナップはかなり充実していると思います。
外せない❷ Audible
こちらもAmazonの「Audible(オーディブル)」は、耳で本を聴くサービスです。月額1,500円で約12万冊が聴き放題になります。
Audibleの最大のメリットは、手が塞がっていても耳で聴けること。通勤中や家事をしながら、子供を寝かしつけながらでも学習できます。
冊数はKindle Unlimitedより少ないものの、Kindle Unlimitedにはない良書が聴き放題になっていることも多い。有料の本もありますが、無料の本だけでも十分聴き倒せます。
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どちらも30日間は無料なので、万が一読みたい本がなかった場合は解約してください(30日以内であれば、仮に何冊読んでいても無料です)。
そして読書は、早く始めた人が圧倒的に有利。本は読めば読むほど、複利のように雪だるま式に知識が蓄積されていくからです。
ガンガン読んで、ガンガン知識をつけて周りに差をつけましょう!
とりあえず両方試してみて、それぞれのラインナップをチェックするのがオススメです!