自己啓発

【誤解されすぎ】エビングハウスの忘却曲線の真実とは?記憶に残る復習方法を解説

「人は一度覚えたことをすぐに忘れてしまう」の数字的な根拠として、有名な「エビングハウスの忘却曲線」がよく引用されます。

実は同理論は、誤解されて伝わっています。エビングハウスの忘却曲線は、「時間と共にどれだけ記憶が忘れ去られているか」を表しているものではありません

この記事では、エビングハウスの忘却曲線の本当の中身に触れつつ、肝心の「じゃあ、どうやったら記憶に定着するのか?」を解説しています。

今や学生だけでなく、社会人になっても勉強が欠かせない時代です。なるべく少ない時間で学習効率を高める方法を探している人は、ぜひ最後までチェックしてください。

エビングハウスの忘却曲線の誤解と真実

ヘルマン・エビングハウスはドイツの心理学者。彼が「記憶」に関して行なった実験結果から、1885年に提唱したのが「エビングハウスの忘却曲線」です。

引用されるのは学習塾や研修といった、教育のシーン。生徒に復習の大切さを教えるために引用されます。100年以上前の理論ですが、今でも現役。根強い人気があります。

エビングハウスが行なった実験はこうでした。

  1. まず意味の無い音節(rit, pek, tas, など)を記憶し、記憶するのにかかった時間を測ります。(無意味な単語なので、すぐに忘れてしまうことは容易に想像できます)
  2. そして一定時間経った後に、同じ音節をもう一度記憶し直します。この再記憶にかかった時間を測ったところ、次のようなグラフになりました。
経過時間 節約率
20分後 58%
60分後 44%
90分後 35%
1日後 34%
2日後 27%
6日後 25%
31日後 21%

横軸は「時間」。ここは問題ないでしょう。

問題は縦軸の「節約率。一見すると何のことかわかりませんね。

節約率とは、一度記憶した内容を再び記憶し直すまでに必要な時間(または回数)を、どれくらい節約できたかを表しています。

1発目の記憶に「1時間」かかったとしましょう。

20分後の節約率は58%です。

20分後に覚え直すときは、1時間の58%にあたる「34分48秒」を節約できたことになります。

裏を返すと20分後は、1時間の42%にあたる「25分12秒」で覚え直せたということです。

要するに、早く復習したほうが、早く記憶を取り戻せるということです。

ただややこしいですよね。

そんなわけで、多くの人が「縦軸は記憶の維持率」と誤解してしまいました。(そもそも「忘却曲線」と言った時点で、誤解される未来は確定していたように思いますが)

だから「1度覚えても、1時間後には半分以上は忘れちゃうんだよ!」と間違った解釈で、忘却曲線を説明してしまっているのです。

【総論】覚えた内容をすぐ忘れてしまう点は間違いない

エビングハウスの忘却曲線は誤って伝えられることが多く、正しい意味を知っている人は、鬼の首を取ったように「バカ!違うぞ!」と指摘します。

確かに厳密には違う。

けど総論として、「1度覚えてもすぐ忘れちゃうぞ」という意味では大して違いはありません。6日後に覚え直すのに、最初にかかった記憶時間の75%かかるわけです。それはもうほとんど忘れているということです。

我々のような一般個人がエビングハウスの忘却曲線を見るなら、「このグラフくらい急速に忘れちゃうんだよ」という理解で十分ではないでしょうか?

【逆転の発想】一度覚えるだけでも意味がある

個人的にこのグラフを見て「これは!?」と思った点があります。

それは時間が経つにつれて、グラフがほとんど平らになる点。6日後と1ヶ月後では、節約率はほとんど変わりません。おそらく3ヶ月後も6ヶ月後も、大して変わらないと想定されます。

ということは、1度覚えてから長いこと放置しても、学び直す際はもっと短い時間で済む。ということになります。

学生時代に日本史の教科書を読んだものの、ほとんど忘れて大人になったとしましょう。ほぼ0からの学び直しと思いきや、実際には10か20くらいからスタートできるわけです。

多少でも学んだ過去はムダにはなりません。この示唆は、人間の記憶に対するポジティブな話ではないでしょうか?

【注意】忘却曲線の気になる点

忘却曲線の実験には、首を傾げる点が2つあります。

注意①:被験者が1人しかいない

1つ目の注意点は、被験者がエビングハウス自身で、ただ1人だったことです。「いや、お前だけかよ」とツッコミを入れたくなったのは、私だけではないはず。

普通「N=1」の心理学の実験など誰も相手にしません。それでも忘却曲線が有名なのは、その内容が先駆的だったことと、エビングハウス自身の高名さに寄るところが大きいのでしょう。

注意②:実世界では無意味な情報を覚えることがない

2つ目の注意点は、記憶したのが全く意味がない単語であったことです。実際の世界で何か学ぶとき、全く意味がない情報を記憶することはありません。

歴史の出来事はつながっています。元素記号にしても、英単語にしても、他と全く関係ない独立した情報を扱うことはありません。もし全く何とも関連しない情報なら、学ぶ意味すらないでしょう。

何かと関連づいた記憶の方が忘れづらいので、実際の記憶は、忘却曲線ほど早いペースで忘れるわけではないと思われます(あくまで個人の見解ですが)。

最適な復習タイミングはいつなのか?

出典:https://uwaterloo.ca/campus-wellness/curve-forgettingより引用

学んだことを放っておくと急速に忘れてしまうとしたら、どのように記憶を維持すれば良いのでしょうか?

2013年に行われたカナダのウォータールー大学の研究は、最適な復習タイミングを知るヒントになります。1時間の講義を行い、被験者の記憶量と復習の効果を計測しました。

結果は次の通りです。

復習のタイミング 復習の効果
復習しない場合 1ヶ月後にはほとんど忘れる
24時間以内の復習 10分の復習で100%の記憶に戻る
1週間後2回目の復習 5分の復習で100%の記憶に戻る
1ヶ月後3回目の復習 2-4分の復習で100%の記憶に戻る

この実験結果から、「24時間以内」「1週間後」「1ヶ月後」に、短時間の復習をするのが効果的ということになります。

覚えたことを記憶に残す3つのコツ

記憶には「短期記憶」「長期記憶」があることが知られています。何度も繰り返し覚えることで、長期記憶に焼き付けることができます。

ひたすら単語帳を見返して覚えるような、根性論的なやり方だけではありません。記憶のメカニズムから、もっと効率よく覚える方法もあります。

コツ①:本質や構造を理解する

長期記憶に焼き付ける方法の一つに「精緻化リハーサル」があります。その情報を既にある別の記憶と結び付けたり、構造を理解することで長期記憶に残す方法です

例えば、仏教に「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という念仏があります。語呂は知っていても、漢字で書けるか怪しい人が多いのではないでしょうか?

「南無阿弥陀仏」は、「南無」と「阿弥陀仏」に分解できます。

先に後ろから説明すると、「阿弥陀仏(あみだぶつ)」は、メジャーな仏様の一人です。仏と如来は同じ意味なので、阿弥陀如来(あみだにょらい)とも呼ばれています。

「南無(なむ)」は、「敬礼する」という意味。サンスクリット語の音を漢字にしていて、実はインドの挨拶「ナマステー」の「ナマス」の部分は同じ単語が変形したものです。

というわけで、「南無阿弥陀仏」は、「お願いします。阿弥陀如来さま」という意味になります。構造から理解すると、少し覚えやすい気がしませんか?

コツ②:ストーリーで覚える

物事をバラバラの情報ではなく、一連のストーリーとして覚えることで、劇的に記憶に残りやすくなります。

将棋や囲碁の棋士が、長く複雑な棋譜をサッと並べられるのは、コマ運びにストーリーがあるからです。いかに記憶力の良い棋士でも、ランダムなコマ運びは記憶できません。

歴史の教科書を文字だけ読んでいると、「〇〇が、〇〇を滅した。これが〇〇の乱である」といった感じで、ストーリーがありません。これでは覚えるのに苦労します。

一方キングダムのような歴史マンガを読むと、別に覚えようとしなくても登場人物や事件が記憶に焼き付きます。史実でも有名な李斯、王翦、蒙恬が、武官か文官かで迷うことはありません。

ストーリーで覚えるためには、教科書は不向きかもしれませんね。大変かもしれませんが、物語性を感じ取れるくらい踏み込んだ内容を学んだ方が、記憶には残るでしょう。

コツ③:感情を紐づける

長期記憶には、「エピソード記憶」と呼ばれる種類があります。その名の通り、個人的な体験に紐づくエピソード的な記憶のことです。

エピソード記憶がスゴイのは、反復せずとも一発で長期記憶に焼き付くところです。感情が大きく動いた体験ほど、エピソード記憶に残りやすいと言われています。

フランシスコ・ザビエルの肖像画をみんなが覚えているのは、ハゲていて面白かったからです。歴史上の残虐エピソードが頭に残ってしまうのも、感情が紐づているからです。

やや難易度が高いかもしれませんが、オシャレなカフェで勉強したり、飛び切り美味しいものを食べながら勉強したりして、強引に記憶に焼き付けることも可能でしょう。

本筋とズレるのでこれ以上は触れませんが、「短期記憶」と「長期記憶」の違いも知っておくと理解が深まります。

【記憶の種類】長期記憶・短期記憶・エピソード記憶・意味記憶とは?でも記憶に残りやすい学習方法を解説しています。併せてチェックしてみてください。

アウトプットすると記憶に残る

一度インプットした(覚えた)情報をアウトプットすることも、記憶に定着させる上では効果的です。

アウトプットとインプットは「7:3」が黄金比

「アウトプット7:インプット3」の割合は、記憶に残りやすい黄金比と言われています。

根拠になっているのは、コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験結果です。

この実験では、小3から中2までの100名超の子どもたちを対象に、「紳士録」(人名年鑑)にある人物プロフィールを記憶し暗唱させました。

子供たちに与えられた時間は9分間。その間の「覚える時間(インプット)」と「練習する時間(アウトプット)」の割合は、グループごとに異なる時間が指示されました。

結果として成績が高かったのは、「アウトプット7:インプット3」の割合にした子供たちでした。正確には初心者はアウトプット6割にして、慣れてきたら7割に上げるのが良いとのこと。

この実験結果から、ずっと座学をしているのは効率的ではないと分かります。ノウハウコレクターはダメで、初心者であってもアウトプットを増やすべきです。

(疑義はあるが…)ラーニングピラミッド

アメリカ国立訓練研究所が、学習方法による定着率の違いを研究した結果として、「ラーニングピラミッド」が知られています。

このピラミッドから、

  • 受動的な学習よりも、能動的な学習の方が定着する
  • もっとも高い定着率を期待できるのは「他人に教える」

という2点が見て取れます。

ただこのラーニングピラミッドは、実際の研究結果によるものではないと言われています。

似たような研究はあったようですが、伝わる過程で項目や数字は別物になってしまったようです。よく考えると、5%や10%の刻みでキレイに数値化されているのは、なんとも違和感がありますね。

学術的には取り上げるべきでないこの図ですが、実務的には参考にしても良いのではないでしょうか。個人的には、長く多くの人の間で伝えられていた説には、一定の意味があると思っています。

誰が言ったか知らない、「急がば回れ」や「情けは人の為ならず」といったことわざがありますね。当然実験による根拠などありませんが、紛れもない真実であり至言です。

他人に教えるためには、その物事の本質を理解し、わかりやすい言葉に噛み砕いてアウトプットしなければなりません。そのプロセスが記憶の定着に有効なのは、言うまでもないでしょう。

記憶に残るオススメのアウトプット方法 3選

アウトプットは記憶に留める上でとっても効果的。オススメの方法を3つ紹介します。

アウトプット方法①:直接誰かに教える

まず機会があれば試して欲しいのが、リアルな人に教えること。仕事に関する勉強であれば、同僚に披露する機会もあるでしょう。お客さんでもいいですね。

何かしらの反応も得られるので、良い反応なら嬉しいし、悪い反応ならちょっと凹みます。この感情が、エピソードとして長期記憶に焼き付く手助けをしてくれます。

ちょっと迷惑かもしれませんが、家族に伝えるのも良いですね。わたしの場合は奥さんですが、奥さんは予備知識0の状態で聞くので、教えるには相当噛み砕く必要があります。

噛み砕いて説明するためには、自分の中で何度も反復しながら、分かりやすい言葉を慎重に選びます。そのプロセスが濃い復習につながります。

アウトプット方法②:ブログに書く

ブログもオススメのアウトプット方法です(まさにこのブログがそうであるように!)。

ブログは全世界の人から見られるので、自然と他人を意識した書きっぷりになります。あいまいな表現はできないので、より本質的で深い理解につながります。もちろん記憶にも焼き付きやすい。

しかもブログで書いたコンテンツは、あなただけの資産になります。

プログラマーが勉強過程をブログで発信すれば、その人の技術を示すプロフィールになります。また問い合わせからお仕事が貰えるかもしれません。そうなれば営業ツールにもなります。

ブログを勉強ノートとして使うのは、非常に冴えたやり方です。勉強にもなり、記憶にも焼き付き、自分のコンテンツ資産まで作れてしまいます。ムダがありません。

アウトプット方法③:SNSで投稿する

SNSで発信するのも、ブログと似たような効果があります。SNSなので簡易的な発信に留まりますが、アウトプットには違いありません。

ブログとの違いは、フォロワーがつくこと。フォロワーも財産と言われる時代です。フォロワーが多ければ、それだけでその分野では信頼の証になります。仕事もしやすくなります。

勉強しながら、記憶にも焼き付き、将来への布石も打てるとあって、こちらもムダがない戦略です。

社会人の学びに「この2つ」は絶対外せない!

あらゆる教材の中で、コスパ最強なのが書籍。内容はセミナーやコンサルと遜色ないレベルなのに、なぜか1冊1,000円ほどしかかりません。

それでも数を読もうとすると、チリも積もればで結構な出費に。ハイペースで読んでいくなら、月1万円以上は覚悟しなければなりません…。

しかし現代はありがたいことに、月額で本読み放題のサービスがあります!

外せない❶ Kindle Unlimited

Amazonの電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」は、月額980円。本1冊分の値段で約200万冊が読み放題になります。

新刊のビジネス書が早々に読み放題になっていることも珍しくありません。個人的には、ラインナップはかなり充実していると思います。

Kindle Unlimited 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがKindle Unlimitedで読むべき15冊

外せない❷ Audible

こちらもAmazonの「Audible(オーディブル)」は、耳で本を聴くサービスです。月額1,500円で約12万冊が聴き放題になります。

Audibleの最大のメリットは、手が塞がっていても耳で聴けること。通勤中や家事をしながら、子供を寝かしつけながらでも学習できます。

冊数はKindle Unlimitedより少ないものの、Kindle Unlimitedにはない良書が聴き放題になっていることも多い。有料の本もありますが、無料の本だけでも十分聴き倒せます。

Audible 公式サイト

≫【厳選】ビジネスマンがAudibleで聴くべき17冊

ちなみにわたしは両方契約しています。シーンで使い分けているのと、両者の蔵書ラインナップが被っていないためです。

どちらも30日間は無料なので、万が一読みたい本がなかった場合は解約してください(30日以内であれば、仮に何冊読んでいても無料です)。

そして読書は、早く始めた人が圧倒的に有利。本は読めば読むほど、複利のように雪だるま式に知識が蓄積されていくからです。

ガンガン読んで、ガンガン知識をつけて周りに差をつけましょう!

とりあえず両方試してみて、それぞれのラインナップをチェックするのがオススメです!

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