心理学・行動経済学

【自らの常識を疑え】正常性バイアスとは?その対策とは?|仕事に役立つ心理学

東日本大震災では、津波が警報が出ているのに、すぐに避難しなかった人がたくさんいました。あなたは同じ状況ですぐに避難できたでしょうか?

人間の中にある「正常性バイアス」は、目の前の状況を正常だと思い込んでしまいます。普段は何事もなくても、いざというときに取り返しのつかないことになります。

仕事やキャリアにも同じことが言えます。多くの社会人は、自分は大丈夫と思って市場価値を高める行動をしていません。本当に大丈夫でしょうか?

この記事では次のことがわかります。

  • 正常性バイアスとは何か?
  • 正常性バイアスの対策は「疑うこと」
  • 仕事やキャリアで起きる正常性バイアスとは?

漠然と将来に対して不安がある人は、正常性バイアスから抜け出して、いますぐ行動しましょう!

正常性バイアスとは?

正常性バイアス(normalcy bias)とは…

予期していない事態に陥ったときに、「そんなはずはないだろう」とそれを正常な範囲内だと思い込んでしまう傾向のことです。

心理学の用語で、とりわけ災害心理学という分野でよく使われます。

正常性バイアスの典型的な例

災害時に起こる正常性バイアス

2011年の東日本大震災では、津波警報が出ていたのに、実際に波が押し寄せてくるまで逃げなかった人がたくさんいました。

その結果、命を落とした人も多くいたはずです。

死に至るかもしれない警報なんて、人生でほとんど経験することはありません。きっと実際に津波を目の当たりにするまで、そんなに危険な状況だと思わなかったのでしょう。

2016年の熊本震災では、震度7の揺れが2回、震度6強の揺れも2回ありました。本震ー余震という常識を覆した災害として歴史に名を刻みました。

1度目の揺れで避難勧告が出ていたにも関わらず、半壊した家に残り続けた高齢者がいました。

まさかそんなに強い揺れが何度も来るとは思わなかったのでしょう。立て続けの揺れに耐えられなかった家が倒壊して、命を落とした高齢者がいたのは非常に痛ましい出来事でした。

ニートが陥っている正常性バイアス

「日本は安全な国で、働かなくても死ぬことはないし、餓死するなんておきないなんてまず起きない」

だからニートの人は、今は養ってくれている親がどうにかなったとしても、「最終的には何とかなる」と思っているのでしょう。

ニートの人は他の人よりも正常性バイアスが強いと考えられます。

確かに死にはしないかもしれませんが、最低レベルの貧困な生活になったり、孤独な最期を迎えたりするかもしれません。もう少し危機感を持った方が良さそうですね。

正常性バイアスの対策は「疑うこと」

正常性バイアスに陥らないためには、自分の中にある常識を疑うことが大切です。

事故にあったことがない人は、事故に会う自分を想像するのは難しいでしょう。災害も同じです。

人間は、自分の想像が及ばないことを過小評価しがちです。自分の中にある常識に囚われていると、「警報なんていつも通りちょっと風が強いくらいでしょ」と見過ごしてしまうのです。

正常性バイアスを乗り越えた事例

東日本大震災での一幕です。釜石東中学校の生徒と先生は、避難先に指定されていたグループホームへ避難しました。

避難場所から遠巻きに津波を見た生徒は、「ここも危ないのではないか」と先生に訴えて、さらに高台へ避難します。

結果的に津波は、最後に避難した高台の目の前まで迫ってきて、最初に避難していたグループホームは波に飲まれました。

彼らを救ったの最大の要因は、「指定された避難所なら安全だ」という常識を疑ったことにあります。

仕事やキャリアに関する正常性バイアス

正常性バイアスは災害時のイメージが強いのですが、仕事という観点でも起こります。

イメージを見てみましょう。

自分の会社は倒産しない

大手企業に勤めている人ほど、自分の勤めている会社が倒産するとは思っていないでしょう。

しかしながら、製品のライフサイクルが極端に短くなっている現代において、絶対安全な会社はありません

「うちの会社は大丈夫」と高をくくって、その会社の中でしか通用しない仕事に精を出す方がリスクがあります。

会社にしがみつくのではなく、どんな環境でもお金を稼げるスキルを身につけることが、自分を守る手段になります。

自分はリストラされない

大手メーカーや銀行では、大規模な人員削減が度々ニュースになっています。実際にリストラされた人は、「まさか自分がリストラの対象になるとは思っていなかった」と口々に言うそうです。

大規模なリストラといっても、せいぜい全社員の1割程度でしょう。リストラ対象になった人は、お世辞にも出来が良かったとは考えづらいです。

それにリストラするくらいだから、その会社の経営は順調ではなかったでしょう。中にいる社員はそのことも分かっていたはず。

それでも、「まさか、よりによって自分が、職を失うなんて」と危機感を持てなかったのです。特に新卒から同じ会社に勤めている人ほど、失業するイメージを持ちづらい傾向があるので注意しましょう。

日本にいれば安泰

大げさに聞こえるかもしれませんが、日本国が安泰という考え方も危険かもしれません。

日本は少し前までアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国でした。現在は中国に抜かされましたが、それでも第3位です。

島国という環境から、紛争に見舞われることもなく、治安もいい。そんな恵まれた日本が危険にさらされるとは考えづらいですよね。

しかしながら、次の事実を見てどう感じるでしょうか?

  • 国の借金は1,000兆円レベルで、全くもって健全ではない
  • しかも、一番支出が多い社会保障費は少子高齢化で確実に悪化する
  • さらに、日本は世界一の高齢化社会で、どんどん労働力が減っている
  • これから産業の中心になるITはすでに周回遅れ。お隣の中国には圧倒的に差をつけられている

目新しい話ではないはずです。冷静に考えると詰んでいませんかね?

身軽な人は思い切って海外移住もアリですが、そうでない人は少なくとも資産を円だけにするのはやめた方が良いです。

正常性バイアスから抜け出そう!

「自分は精一杯がんばっているよ」と思っているかもしれませんが、99%の人は、正常性バイアスにより危機感が無いままのほほんと過ごしています。

正常性バイアスの対策は「疑うこと」です。「近い将来に自分の会社が無くなる」「日本が破綻する」というレベルの、危機感と想像力を持ちましょう。

正常性バイアスから抜け出して、社会にどんな変化があっても、自分と家族の生活を守れるように活動する必要があります。

そのために必要なことは次に集約されます。

  • 今の会社じゃなくても稼げるスキルを身につけること
  • そのために勉強すること
  • その時間を捻出するために、無駄な時間を徹底的に排除すること

今この瞬間から始められることです。頑張りましょう!

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