社会人の教養

【雑談ベタな営業マンへ】「最小限」の雑談で最大の成果をあげる極意を教えます

一般的な雑談は、会話を続けること自体に意味がある場合が多くあります。なるべく沈黙を作らず、何となく良い雰囲気で会話を続けるイメージですよね。

わたし自身もそうですが、口下手な人は、頑張って会話をつなぐのがとても苦手です。新入社員の頃、100社以上飛び込みしても初受注が取れないどころか、まともに会話すらできませんでした。

わたしは6年半法人営業をしていて、のべ何千人ものお客さんと雑談をしています。そこでわかったことは、一般的な雑談と、営業の雑談は違うということ営業は限られた時間で成果を出すために、ダラダラと無目的に雑談をしてはなりません

この記事では、成果につながらないムダな雑談は排除し、最小限の雑談で最大の成果を出す営業の雑談力を解説しています。実際にわたしは営業6年目で全国売上1位のセールスになっているので、参考になると思います。

お客さんとの雑談が苦手で、「自分は、営業にあまり向いていないんじゃないか…」と感じている人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

雑談をする唯一の目的は「成果」をあげること

営業は何のために雑談をするのでしょうか?これがわかっていない雑談は、本当に意味のないタダの雑談です。

巷では天気や出身地、ニュースの話をしましょうとか言われますが、これは完全にズレています(テーマ選びが悪いという意味ではなく、目的を見失っているという意味です)。

雑談をする唯一の目的は、「成果を出すため」に決まっています。稀なケースを除けば、お客さんと個人的に友達になりたいわけでも、お付き合いしたいわけでもありません。

営業の成果は、基本的には「売上」です。厳密には利益なのですが、売上をあげれば利益はついてくるので、営業目線で言えば「売上」をあげることが最も普遍的な成果です。

雑談をしてはいけない相手
  • 購入してくれる見込みがない顧客
  • 放っておいても売れる顧客
  • 労力に対し、見返りが小さそうな顧客
雑談をすべき相手
  • 見込みがあるけど、放っておいたら購入してくれない顧客
  • 大口の顧客
  • 他社も同じような商品を扱っている場合(放っておくと顧客を奪われるので)

もしあなたが扱っている商品が、あまりにも魅力的で放っておいても売れるようなら、雑談など必要ありません。逆に全くお客さんのニーズにマッチしない商品であれば、どんなに頑張っても売れないので、やはり雑談は不要です。

基本的には、雑談が必要なのは、「見込みがあるけど、放っておいたら商品を購入してくれない相手です。それ以外のシーンでは雑談は大抵時間のムダです。

雑談は「信頼」を勝ち取り、「売上」をあげるために存在する

では営業が「売上」を上げるためのロジックを見ていきましょう。

営業マンの売上ロジックツリー

雑談が寄与できる変数は、「営業への信頼」くらいしかありません。つまり、営業マンが取り止めもない雑談をする理由は、「信頼」をあげる以外に無いということです。

会社の信用は営業マンの努力で変えられるものではないので、基本的にはあなた個人の信頼をあげるのが、雑談の目的になります。

なお顧客の課題や予算、納期といった営業上必要な情報を入手するのは、雑談ではなくヒアリングに該当します。別のテーマになるのでここでは割愛します。

「信頼」を得るための雑談の4つの極意

あなたが見ず知らずの人を「信頼」するのはどんなときでしょうか?

実績?知名度?見た目?どれも間違いではないですが、ど真ん中の回答ではないです。答えは「その人から成功体験を得たとき」です。

そして信頼とは、一過性のものではなく、積み上がっていくものです。繰り返し「成功体験」を与えることが、雑談のもっとも重要なポイントです。

これを意識した上で、4つの雑談の極意をみていきましょう。

「信頼」を得るための雑談の極意

  1. 有益な情報を与える
  2. 相手が話したくてたまらないことを話させる
  3. お客さんを知る
  4. あなたのプライベートをさらけ出す

極意①:有益な情報を与える

これがもっとも行っていただきたい雑談です。例えば以下のようなものが代表的です。

  • お客さんにとって有益な、あなたの業界の最新動向を共有する
  • お客さんと同じ属性の人から聞いた話をする
  • お客さんの同業他社から聞いた話をする(秘密事項は触れないように注意)
  • お客さんの悩みを解決できる情報を共有する

ここでのポイントは、純粋にGIVEに徹することです。

間違ってもあなたの営業目標のための話はしてはなりません。あくまで、「この人は100%わたしのためを思って、発言してくれている」と思わせなければいけません。

プライベートな情報提供でもOK

もしお客さんとプライベートな話をする仲になっているのであれば、仕事に関わらない情報でもOKです。むしろ多くの人は仕事よりもプライベートの方が大事なので、こっちの方が信頼獲得につながります

お客さんが最近肩こりに悩んでいるなら、肩こりに効く入浴剤の話をするのも良いでしょう。お客さんの家の近くにある美味しいお店を教えてあげるのも良いと思います。

個人的に効き目があったのは、お客さんの家族に関する情報提供です。家族のことまで気にかけてくれる営業マンはほとんどいないので、かなり好印象に写ります。

小学生のお子さんがいる人が相手なら、スマホで変なサイトが見れないようにするセキュリティサービスを紹介するのも良いですね。奥さんや旦那さんの趣味に関する話も良いと思います。

極意②:相手が話したくてたまらないことを話させる

人間誰しも、他人に思いっきり熱を込めて話したいことがあります。でもなかなか言うチャンスがなくて我慢しているのです。

例えば次のようなものです。

  • 趣味の話
  • 自分の信条
  • 成功体験
  • 苦労話

特に年配の人は、こういう話を聞いてもらって「勉強になります!」なんて言われた日には、小躍りするくらい嬉しくなるものです。

これを引き出せたら、相手はあなたに対し、「コイツは自分のことを本当に理解しているヤツだ」と思うようになります。相手にとっては、言いたいことを気持ちよく話せたこと自体が、一種の成功体験になっています。

極意③:お客さんを知る

これは、ヒアリングと雑談どっちにもかかってくるところです。相手に成功体験を与えるためには、相手が何に関心を持っているのか聞き出す必要があります

ただし、聞き出すのにちょっとしたテクニックが必要です。真正面から「何に困ってますか?」と聞いたら怪訝な顔をされてしまいますからね。

イメージとしては、

  1. まずは相手や、相手の周囲を見てわかることから、気づいたことを言う
  2. それに対し、理由やきっかけなどを掘り下げていく

という感じです。

具体的なイメージはこんな具合になります。

営業
営業
わたしの勘違いだったらすみませんが、最近なんだか結構お忙しそうですね…?
お客さん
お客さん
え?そう見えますか?
営業
営業
今日お会いして、いつもより少し疲れて見えたもので
お客さん
お客さん
確かにちょっと疲れが溜まってるかもしれません。最近残業が多かったので…
営業
営業
おぉ、それはそれは。ご自愛ください。今の時期が繁忙期なんでしたっけ?
お客さん
お客さん
いえ、そうではないんです。実は新規事業のプロジェクトに参加するようになって…
営業
営業
なるほど、そういうことですか。大抜擢されちゃったんですね。ちなみに…

といった具合に、相手の悩みを聞き出すことができます。現代人の多くは何かしらの疲れを抱えているので、お客さんを知るための緒になることが多いです。

もしかしたら、しょうもない話をされるかもしれませんが、次回会ったときに「この前お聞きした悩みは、その後どうですか?」と聞くだけでも、相手に好印象を与えられます。

もちろん、気づきはネガティブな話じゃなくても良いです。相手の本棚にある本が特定のジャンルに偏っていたら、そこから話を広げても良いでしょう。

「あれ?最近腕まわり太くなりました?」とか「おうちに良い車が停まってましたね?新しく買われたんですか?」とか、相手が褒めて欲しそうなところから始めるのも◎です。

極意④:あなたのプライベートをさらけ出す

あなたが自分自身のことをさらけ出すほど、相手はあなたに報いたいと思うようになります。この現象を、心理学では「自己開示の返報性」と呼びます。

家族構成や年齢、住んでいる駅、出身地、趣味、前職など、さらけ出せることは何でもさらけ出しましょう。変に某所とか某社とか濁して話す人がいますが、濁す意味はほとんどないので、言ってしまった方が得です。

ただし次の点には注意してください

プライベートをさらけ出すときの注意点

  1. 自慢話はしない
  2. 相手にも同じように情報を開示するように求めない
  3. 相手が情報を開示しないうちは、こちらも開示しすぎない

①自慢話をしないのは言うまでもありませんね。単純に不快だからです。

②については、あなたがプライベートをさらしたとしても、相手はさらしたいと思っていない場合があるからです。自分が年齢を言ったとしても、相手は言いたくないかもしれません。

③については、相手が情報開示をしていないのに、自分だけペラペラとさらけ出してしまうと、相手は居心地が悪くなってしまいます。

相手の人
相手の人
〇〇さん(あなた)は、プライベートをさらけ出したからこっちも言わなきゃ、でも言いたくない…。

という感じです。

相手が言いたくなくない内容なのか、言っても良い内容なのかは、会話の中で判断していくしかありません。相手の人が言っても良いと思う情報であれば、こちらがオープンにすれば自然に話してくれます。

顧客の信頼を勝ち取る方法は「雑談」だけではありません。

顧客からの信頼を得る本質的な考え方は、「【信頼はこうして勝ち取れ!】ビジネスにおける「信用」と「信頼」の違い」で詳細に解説しています。こちらも営業に役立つ情報満載です。

【信頼はこうして勝ち取れ!】ビジネスにおける「信用」と「信頼」の違いを解説します「信用」と「信頼」。とてもよく似ていること言葉を、意識して使い分けている人はとても少ないと思います。なんとなく、信用より信頼の方が良いイ...

雑談におけるリアクションの極意

話し手が相手のターンに移っているときの所作にもポイントがあります。

目的は、相手の気分を害さず、気持ち良く話してもらうことにあります。カラオケのタンバリンや手拍子みたいなものだと思ってください。

雑談におけるリアクションの極意

  1. うなずく、共感する
  2. リアクションはオーバーなくらいがちょうど良い
  3. 褒める
  4. 絶対に否定しない
  5. 謙遜は1回まで

それぞれの詳細を見ていきましょう。

極意①:うなずく、共感する

相手が話しているときは、うんうんと頷きましょう。相手が話しているときは、相手のターンなので、遮るのはあまり得策ではありません。

「そうなんですね」「そんなことがあったんですね」と共感しつつ、話がひと段落するまでは、そのまま話を続けてもらいましょう。

極意②:リアクションはオーバーなくらいがちょうど良い

リアクションをとるときは、ちょっとわざとらしいくらいでちょうど良いです。理由は簡単で、相手がその方が気持ちよくしゃべれるからです。

「えー!!」とか「おぉ〜!」とか「うわぁ…」とか漫画みたいな反応をしてください。慣れないうちは難しいかもしれませんが、表情も作れるとさらに効果的です。

極意③:褒める

基本的に営業マンは、相手のトークを聴きながら褒めるポイントを探しているものです。

「さすがです!」「いやぁ勉強になります」「マジっすか!」と褒めの合いの手を入れましょう。わざとらしくメモするのも◎です。これも相手を気持ち良くしゃべらせるためのコツです。

追加テクニックとして、「秘訣を聞く」のも効果的です。

例えば最近美味しい店に行った話をされたら、「そこ、めっちゃ良いじゃないですか〜!ちなみに〇〇さんって、いつもどこで美味しい店の情報仕入れているんですか?秘訣とかあるんですか?」みたいな感じです。

極意④:絶対に否定しない

相手の話には絶対に否定しないでください。もし相手が間違ったことを言っても、否定はNGです。

否定された瞬間に、相手はもうあなたとのコミュニケーションをしたくないと思ってしまいます。「そうなんですね」と相槌を打ちながら、無難にやり過ごすのが良いと思います。

極意⑤:謙遜は1回まで

逆にあなたが相手から褒められることもあるでしょう。個人的には「ありがとうございます!」と元気よく答えた方が、可愛げがあって良いと思います。

相手の性格をみて、厳格な感じの人であれば、1回は謙遜することもありますが、それ以上の謙遜はNG。相手はせっかく褒めているのに、否定された気持ちになるので、気分を害します。

【例外】唯一意味もない雑談が必要なシーン

不要な雑談はするなと豪語してきたのですが、どんな営業シーンでもしょうがなくしなければならない雑談が存在しますそれはアイスブレイクの雑談です。

特に初対面の人同士は、いきなり本題の提案に入ると、緊張感が拭えないま入る事になります。場を和ませるために、ちょっとしたコミュニケーションを交わすのがアイスブレイクです。

アイスブレイクの目的は、場を和ませるだけなので、短ければ短いほど生産性が高いです。アイスブレイクの雑談が長すぎて、商談の時間が足りなくなってしまっては本末転倒。

短くて効果があるのは、短時間であなたのプライベートを相手にインプットする雑談です。「自己開示の返報性」の通り、あなたがプライベートな部分をさらけ出すと、相手もそれに答えるように自分も心を開こうとします。

【口ベタさん向け】相手から雑談を切り出してもらえるテクニック

アイスブレイクは、単に場を和ませる目的しかなので、頑張ってあなたからトークを切り出さなければならないわけではありません。

相手から話しかけてもらうには、わかりやすい「突っ込みどころ」を意図的に作るのが効果的です。

よく珍しい苗字の人は、名刺交換をしたときに「珍しいお名前ですね」と話しかけられて、そのまま出身地の話に流れて、良い感じアイスブレイクできます。珍しい名前は天然の突っ込みどころになっているわけです。

わたしの場合は、雑談のためではありませんでしたが、坊主頭だったので「野球部だったの?」「営業なのにそんな髪型で何も言われない?」と大変多くの人から突っ込んでいただきました。

オススメは変わった持ち物!

とは言え、雑談のために容姿を変えるのは抵抗感あると思います。そういう時は、持ち物に突っ込みどころを設けるのが効果的です。

わたしは金色(マッキンキンではないですが)のMacBookを使っていたので、「えっ、それパソコンなの?」「かっこいいですね!」「なんでその色選んだの!?」など、社内外問わずたくさんの人にいじってもらえました。

もっとも良いのは、あなたが好きなものの小物を身に付けることです。本当は小物まではいらなかったとしても、これくらいは投資と思って割り切って買ってみてください。

例えば犬が好きな人なら、ネクタイを犬柄にして、ノックに犬がついているボールペンを使ってみましょう。高確率で「犬がお好きなんですか?」と話しかけてもらえます。

その流れから、

  • 今飼っている犬
  • 実家で飼っていた犬
  • 今はマンションで飼えないけどいつか飼いたい犬

などの話に持っていき、あなたのプライベートを効率的にさらけ出せます。

聞かれてもいないのに勝手に犬のことをペラペラ話だすのも不自然なので、相手に突っ込んでもらってから話す方が自然ですよね。

【注意!】してはいけない雑談のタブー

目的に合致していれば、雑談の内容は多岐に渡りますが、してはならない雑談のテーマが存在します。

雑談のタブー

  • 誰かの悪口
    …もしかしたら悪口の矛先になった人は、相手の人の身内かも。そもそも聞いていて気持ち良くないのでNGです
  • 政治・宗教・人種・思想
    …この手のセンシティブ系は万国共通でNG。相容れない相手と判明すれば、2度と元の関係に戻れなくなります
  • 身体的な容姿
    …こちらは褒めているつもりでも、相手はコンプレックスに感じているかもしれません。服や小物など、身体ではない箇所を褒めるのはOKです
  • 家族構成(気心知れていればOK)
    …結婚していると思って話していたら実は独身だったなんてこともあります。子供がいると思って話たら、子供がいない家庭かも。意図せず相手を傷つけてしまわないように注意しましょう
  • 年齢(気心知れていればOK)
    …言わずもがなですが、女性に年齢を聞くのはNGです。男性でも向こうから言ってこなければあまり聞くものではありません
  • 住所(気心知れていればOK)
    …人によっては最寄りの駅名を言うのも憚られる人もいます。自分が住んでいる地域を話して、向こうから言ってこなければ詮索はしないほうが賢明です

その他、相手の表情や声色が濁るような感じがしたら、その話題からは早々に撤退するのが得策です。

まとめ

今回は、最小限の雑談で、最大の成果を出すための営業流雑談術を紹介しました。

まず持って、雑談は「成果を上げるためにするもの」という大前提があります。基本的には営業の成果は「売上」になることが多いでしょう。

「売上」を上げるために、雑談が寄与できるのは、顧客の「信頼」を勝ち取ることです。信頼を得るための1番の近道は、「相手に成功体験を与えること」です。

信頼を勝ち取る雑談術は、次の通りです。

「信頼」を得るための雑談の極意

  1. 有益な情報を与える
  2. 相手が話したくてたまらないことを話させる
  3. お客さんを知る
  4. あなたのプライベートをさらけ出す

また、相手が話しているターンは、相手を気持ち良く話させるテクニックが効果抜群です。次のリアクションを徹底しましょう。

雑談におけるリアクションの極意

  1. うなずく、共感する
  2. リアクションはオーバーなくらいがちょうど良い
  3. 褒める
  4. 絶対に否定しない
  5. 謙遜は1回まで

ぜひこれら点を意識して、雑談をしてみてください。即効性はないかもしれませんが、じわじわと成果につながってくるはずです。

参考書籍

本記事のエッセンスのほとんどは、ビジネス書の古典にして名著中の名著、『人を動かす』から得ています。

ただかなり分厚い本なので、時間がない人は「【ぎゅ〜っと要約】超絶名著『人を動かす』で学ぶコミュニケーション術【全人類必読】」でポイントだけでもチェックしてみてください。

【ぎゅ〜っと要約】超絶名著『人を動かす』で学ぶコミュニケーション術【全人類必読】『人を動かす』は、1937年発行とかなり古い本ですが、今なお世界中のビジネスマンに愛される伝説の名著。ビジネスに必要なコミュニケーション...

こちらの『雑談の一流、二流、三流』は、参考して書いたわけではありませんが、読んでいて共通するところが多いなと。細かいテクニックがたくさん載っていて、かなり実践的です。

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